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『スター・トレック イントゥ・ダークネス』 安定のホモソーシャル

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 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』を、3D、吹替え版で鑑賞。3Dの視覚効果を存分に楽しめたが、肝心の物語の方はなんとなく消化不良といった感じ。予告編からは『ダークナイト』的な、ハードな展開を期待していたのだが、実際は前作の路線を継ぐ、真っ当な正統派娯楽作品であった。なので、期待とは違えど、高品質の映像もあいまって十分に満足できた。


映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』予告編 - YouTube

  俺が、『ダークナイト』的なハードな展開を感じたのは上の予告のせい。ベネディクト・カンバーバッチ扮するジョン・ハリソンは存在感こそあるものの、『ダークナイト』のジョーカーや『スカイフォール』のラウル・シルヴァなどの近年の印象的な敵役と比べると一枚落ちるかなという印象。それは役者の問題ではなく、ストーリー上で、信念や行動原理を描き切れていないことと、ちょっと信じられないようなうっかりミスをしていることが原因だろう。

 ハードな展開にはならないものの、前作を受けてのカークとスポックの丁々発止のやりとりは楽しく、彼らが時に対立しながらも協力して試練に立ち向かう姿は見ていて安心感がある。王道のバディ・ムービーとして見るなら安定感のあるつくりであった。今回はこのホモソーシャルな関係性がより際立っていたように思う。

 

 3Dの効果に関しては大満足。特にワープに入る際の特殊効果の出来が白眉で、これだけの為に3Dを見てもいいんじゃないかと思う。ただ、役者の顔のアップのシーンがやけに多いような印象を受け、それが3Dの意義をそいでいるような感もあった。

 吹替えに関しては、可もなく不可もなくという印象。予告の英語台詞の響きがやけにかっこいいなと思っていたので、字幕でもよかったかな。ただ、『パシフィック・リム』の時と同様、目が全然疲れなかったのは吹替えのおかげかな。

 

 全体としては、前作が好きならので問題なく楽しめたが、大きく期待していた分ちょっと肩すかしを喰らった、そんな映画だった。

 

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