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宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

『セブンティーン・アゲイン』 「もう一度」選び直す物語

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 Huluで『セブンティーン・アゲイン』を見た。冴えないオッサンが17才に戻って高校生活を送り直す、という筋だけ知っていたのだが、これが大変面白かった。

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』的に過去に戻って、高校生活をやり直すのかと思ったら、戻るのは主人公の年齢だけで、息子と娘と同じ高校に通うことになるという設定が秀逸だった。これで主人公の目的が自分の自己実現でなく、息子・娘を助けることにシフトさせたのが上手い。で、この設定で語られるテーマもまたいいな、と素直に思った。

 人生を選び直せたら、違う道を選ぶのか?

 『セブンティーン・アゲイン』のテーマは、端的にいって人生論であると思う。主人公は、過去に大学進学の道を捨て、結婚する道を選んだ。しかしその結婚も結局は破たんしている。その状況下で、主人公に「やりなおし」のチャンスが与えられる。

 しかし、主人公は安易にやり直しの道を選ぶことができない。上でも書いたように、息子・娘と同じ空間におかれることによって、2人の抱える問題を知ってしまった主人公は、子どもたちを助けることを目的に行動を始める。

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では父親を助ける息子、という構図だったが、『セブンティーン・アゲイン』ではそれが逆転している。しかも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、父親を母親とくっつけなければ自分自身が消滅するという危機が、主人公マーティを突き動かしたわけだが、『セブンティーン・アゲイン』では別に子どもたちを助けなくても主人公は死ぬわけではない。つまり子どもへの愛情こそ、主人公を動かしている。ここで、主人公は進んだ道を後悔していると同時に、家族への愛は失っていないことが示されるわけだ。

 そんなこんなで子どもたちの問題を解決した主人公は、ついに自分自身の問題と向き合うことになる。妻と再びやり直す道を選ぶか否かが、最後に主人公につきつけられる。この場面が、かつて過去の、後悔を生む原因となった選択の場面とオーバーラップする。そして主人公は、かつてあれほど後悔した選択を、再び「選び直す」。

 若返りというファンタジー要素がありながらも、主人公の下す決断はあまりに現実的だ。今は後悔しているかもしれないが、それはかつての自分が選んだ道なのだ。それならば、あえて再びその選択を「選び直し」、自分の選択を引き受けることしか我々はできない。その「選び直し」こそが、人生の見方を劇的に変えるかもしれない。その可能性を、明るく提示した本作が、とても好きだ。

 

 

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