『シューテム・アップ』という映画をご存じだろうか。クライブ・オーウェンやモニカ・ベルッチみたいなスターが出ているものの、公開当時の評判はあんまり芳しくなったようなので、そんなに見ている人もいないのではと思う。かくいう私も、ずっと銃撃戦してる「バカ映画」というレッテルを貼られていることぐらいしか知らなかった。今だから言える。この映画をなめていた。
『シューテム・アップ』は、「バカ映画」と聞いて想像するものをはるかに超えるほど馬鹿な映画だ。それは開始して5分もたたないうちにわかる。クライブ・オーウェン演じる主人公が野菜スティックで悪役を殺すのだ。
『シューテム・アップ』は次世代のコマンドーになる!
この『シューテム・アップ』、一事が万事、そのノリで進む。いや、銃撃戦は素直にかっこいいし、クライブ・オーウェンもまた然りなんだけど、間に挟まれる野菜スティックがね、すごいんですよ。以下で野菜スティック(ニンジン)の活躍を列挙しよう。
- 悪党の頭蓋骨を貫く(開始5分)
- 悪党の野菜不足を解消してくれる(同上)
- 悪党の目を突く
- 取り落とした銃を拾う(カーチェイスの最中)
- 銃の引き金を固定して、それを悪党に投げつける→悪党蜂の巣
- 指を怪我した主人公が、野菜スティックで引き金を引く
- 主人公の野菜不足を解消してくれる(常時)
こんな感じで、これほど野菜スティックが活躍した映画があったであろうか、いやない。
あと、セリフ回しもまた独特で、主人公はウィンカーを点灯させずに車線変更する車をひたすら罵倒するし、俺はノーベル賞撮ってるなどと言い出すし、敵は敵でいきなり妊婦に「帝王切開してやんよー(ゲス顔)*1」とか気がくるってるしで、まさしく『コマンドー』的な魅力に満ち満ちた作品だと思いました。いやー、テレビ放映の日が待たれますな。
*1:台詞は原文?ママです