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輸送事故の怒りと悲しみーヤマト運輸の「レトリック」

 

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   僕はAmazonを通して買い物をするのが好きです。特に本は、近くに大きな書店がないこともあってAmazonを利用して買うことが多い。直接本を手にとってみることはできないけれど、安いし早いし、すごく便利だ。古本を買うことが多いので、必然的にマーケットプレイスを利用することが多いんですが、ちょっとしたトラブルはあっても、輸送事故なるものがおこったことは一度たりともなかった。そう、今日までは。

 なぜか届かない荷物

 僕は先週、本を注文した。授業で購読する、三巻組の文庫本だ。幸運にもマーケットプレイスで同じ業者が出品していたので、これ幸いとさっそく注文したわけです。

 それが待てど暮らせど届かない。4月17日に発送の連絡がきたにもかかわらず、4月22日になっても荷物が届かない。これはおかしい。そこで出品者にAmazonを通して連絡をしてみた。以前、発送したとの連絡がきたのにも関わらず、出品業者の不手際で実際には発送されていなかったということがあったからだ。今回もそうだろうとふんでいた。

 しかし、業者からの返信は驚くべきものだった。

ヤマト運輸の荷物追跡サービスによれば、4月19日に投函完了しています。」

は?

 

どこで間違いが起こったのか?

 僕もメール便の番号を入力してみたが、確かに、4月19日に投函完了している。しかしおかしい。どう考えても僕の手元に荷物はない。そこでヤマト運輸のサポートセンターに電話してみた。担当した配送センターに連絡するので、そこから電話が来るのをお待ちください、とのこと。電話はすぐつながったし、対応もテキパキしていたので好印象。しばらくすると配送センターから電話がかかってきた。

 配送センターの方の話を要約すると以下の通り。

 「担当者に聞いたところ、ポストに入らなかったのでドアノブにかけておいたそうです。それが盗難にあったのではありませんか。近所を探してみます。またこちらから連絡します。」

  ふーむ。近所を探すて。そんなんで見つかるなら苦労しないわと思いながら釈然とせずに電話をきった。で、小一時間考えていたのだが、ポストに入れずにドアノブにかけておくって、そんなのありなのか?と疑念が膨らんできた。

 今までドアノブにメール便の荷物がかけてあったことは、多分一度もなかった。ポストの内部という場所に比べて、ドアノブというのはオープンで、いかにも頼りない。僕の部屋は安アパートの一階だから、入ろうと思えば誰でも入れるし荷物も持っていける。そんなことをいったらポストの中身もそうだが、ポストの内部をまさぐるのとドアノブにかけてある荷物をさっと持ち去るのでは、抵抗感がまったく違うだろう。この疑問をさきほどの配送センターの方にぶつけてみたいと思い、こちらからかけ直すことにした。

「ドアノブにかけるということは、しない決まりになっています」

 「普通ポストに入らないメール便は、不在票をいれて持ち帰ることになっています。ドアノブにかけるということは、しない決まりになっています。」

  さっきは、「ドアノブにかけておくこと」をさも当然のことのように話していたにもかかわらず、それは「しない決まり」になっていることだったのだ。この答えに、僕は怒りを抑えることができなかった。配送する側の不手際を隠蔽しようとするレトリック。僕はそのレトリックに「騙された」という思いを強く持った。こんなにふざけた対応をされていたとは。

 この電話対応をしていた方が、「輸送事故は我々のせいじゃなく、悪意のある誰かが荷物をもちさったのが悪い。我々を責めるのは筋違い。仕方ないことだからあきらめてAmazonに保証してもらえ」という強気のスタンスをとっていたこともあって、僕の疑念は最高潮に達した。こうなると怒りのあまり視野狭窄に陥り、すべてが胡散臭くみえてくる。配送センターの対応全てが信じられなくなった。

 「近所を探してみる」というさきほどの回答も、形だけのものなんじゃないか。メール便は補償しないという決まりになっているからといって、自分たちの過失を隠して適当に対応していいのかよ。配送するヤツが荷物を盗んだってわかんねーじゃねーか。補償しなくていいなら盗むリスクもないでしょ。こんなことを感情的に言い立ててしまったきがする。配送センターの方も対応に困ったのだろう。自分では対応しかねるので、後で支店長が電話をするので待ってくれ、という感じで電話は終わった。

 

 2時間ぐらいたった後、支店長から電話がかかってきた。時間もたったので気持ちも落ち着いていて、感情的にならずにお話できたように思う。支店長はこちらが申し訳なくなるほど低姿勢に対応して下さり、代替品の無償配送を手配するから、ということで話がついた。

 

輸送事故自体は仕方ないことだが…

 僕は、もう輸送事故自体は仕方ないことだとあきらめている。かつて短期で郵便局でアルバイトをしたこともあるので、配達する大変さ、荷物の仕分けの煩雑さは人よりもわかっているつもりだ。郵便局に限らず、輸送の体制は、もうこれ以上ないほど事故が起こらないように構築されていると思う。そんなに盤石の体制で事故がおこるのはもう、運が悪かったとあきらめるしかない。荷物が届かないのは悲しいことだけど。

 今回ヤマト運輸の対応のどこに怒りを感じたか。それは輸送担当者がマニュアル外の行動をしたために輸送事故が発生したこと、あまつさえそのことを配送センターの職員が認識しているにも関わらず隠そうとしているように見えたこと。この2点である。

 徹頭徹尾マニュアル通りの輸送をした結果、輸送事故がおこったならあきらめはつく。でも今回はそうではない。しかも輸送担当者が荷物を僕の部屋のドアノブにかけたであろう時間、僕はおそらく家にいた。なぜチャイムをならして直接わたしてくれなかったのか。そう考えると、もう沸々と怒りがわいてくる。

 しかも、電話の対応にもやはり不信感をぬぐえない。僕がずうずうしくも折り返し電話をかけなかったら、マニュアル外の行動をしていたこともわからなかったし、代替品の輸送を手配してもらうこともできなかった。

 

 これが、僕の荷物が被った輸送事故の顛末です。ヤマト運輸さん(というか僕に届けてくださったドライバーの方)には、もうちょっと、荷物が届かない人の悲しみをかんがえてほしいなー、なんて思います。お仕事大変でしょうけど、運ぶ側にとっては無数の荷物のうちのひとつでも、受け取る側にとってはたったひとつの大事な荷物なんです*1

 

 

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*1:こんなことは百も承知であろうが。

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