宇宙、日本、練馬

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米澤穂信『氷菓』のおもいで

 

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

 

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 先日直木賞の候補に挙がっていた米澤穂信さんですが、残念ながら受賞はならなかったみたいですね。米澤さんの本って恥ずかしながら「古典部シリーズ」くらいしか読んだことがないんですが、とっても好きです。アニメのせいかもしれませんが。

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 でも自分が『氷菓』を読んだのは、もっとアニメ化されるよりはるかに前なんですよね。夏だしなんかノスタルジックな気分なので、その思い出をつらつら書こうかなと思います。

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 アニメ化される以前に『氷菓』にであったとは言いましたが、出版された2001年当時に読んでたわけじゃないです。僕が『氷菓』を読むきっかけになったのは、中学生のとき、同じクラスの友人O君が「おもしろいから読みなよ~」的な感じで進めてきたことがきっかけだった。

 貸してくれた角川スニーカー文庫版の表紙がこれ。

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 アニメ版の古典部の面々のデザインしか知らない人にこれ見せたら結構驚くんじゃなかろうか。黒髪短髪のぬぼーっとした少年が折木奉太郎くんでしょう。「省エネ人間」たる奉太郎がアニメ版みたいにぼさぼさに伸ばした髪形なのは結構不自然な気が僕はしていて、省エネの観点からいったらこのスニーカー文庫版の表紙みたいな髪形のほうが「理にかなっている」ように思えてならない。まあアニメ版ではその「理にかなってなさ」がある意味象徴的に機能している気がしないでもないんですけどね。

 話がそれましたけど、中学生の時に読んだ『氷菓』はめちゃくちゃ面白かった。夢中になってすぐ読み終えて、すぐにO君に返した記憶がある。「古典部」というなんだかよくわからない部活にあこがれて、当時バリバリの野球少年だった僕は「高校生になったらなんだかよくわかんない部活にはいりてぇ」と思ったりしたのであった。

 この「変な部活に入りたい願望」はぶっちゃけ高校のみならず大学に入っても持続していて、大学でもなんだかよくわからないサークルにはいっておもしろおかしく過ごしました。大学在学中に『氷菓』がアニメ化されたわけなんですが、同じサークルの親しい友人に「俺、『氷菓』のせいでよくわかんない部活に入りたい願望があったんだよねー」と話したら、「あ、俺もそうだわ。」と妙なシンクロをしたりなんかもして。その友人はアニメをまったく見ない男だったので、アニメのほうは見ていないようですが。

 そのくらい影響を受けてしまったんですけど、「折木みたいな省エネ人間ってかっけー!」的な路線で影響を受けなくてほんと良かったです。こんなことになったら黒歴史を通り越して悲劇でしかないですからね。

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 そのあと確か『愚者のエンドロール』を借りて読んだんですけど、これは『氷菓』ほどグッとこなかったような気がします。奉太郎が推理をミスる、という展開とかが、幼稚だった自分にはあんまり合わなかったのかな。とにかく自分のアンテナが足りなかった。

 そんなわけで、中学の時の「古典部シリーズ」との思い出はそれっきり。O君とは同じ高校に進学したんだけれども、すっかり疎遠になってしまって。中学のころからうすうす感じてはいたんだけれども、なんとなく僕は苦手意識もあって、だから自然とそうなっていったような気がします。最後に会ったのは、成人式後の同窓会。僕は東京にでたけれど、彼は地元に残ったということもそこで知った。多分、O君と僕はもう二度と会わない気がする。それでも氷菓』の記憶は、僕のなかで分かちがたくO君と結び付いている。だから、『氷菓』のことを考えるとなんとなくノスタルジックな気分になるのかもしれないなー、なんて思ったり。

大学で再び出会う―『氷菓』は歴史学なんですよ!

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 それから米澤穂信さんとはとんと縁がなくなってしまって、『氷菓』アニメ化の報にふれるまで、意識することもなく過ごしていた。

 アニメ化をきっかけにしてかつて読んだなーということを思い出し、周囲の人間に「原作おもしろいよ!アニメもきっとおもしろいよ!」と触れ回るめんどくさいマシーンと化したんですが、大学の友人たちは結構見てましたね。今思うと僕の宣伝が逆効果にならなくてよかったです、はい。

 で、歴史学をいっしょにやってる友人たちと『氷菓』を語ったりすると、当然中学の頃は思いもしなかった感想がでてくる。端的に言うと、「『氷菓』で古典部がやってんのって、ある意味歴史学じゃね?」みたいな。

 当時の証拠史料をあつめて、それを時代状況やらなんかとつきあわせて、歴史の事実を確定しようとする作業。ラストにおける糸魚川先生という当事者との「答え合わせ」以外は、まさに歴史学の営みそのものなんですよ!(暴論) だから、新入生に歴史学ってどんなんか説明するために『氷菓』見せようぜ!なんて話にもなったりして。 僕のなかで、そんなくだらない、でももう戻らない日々の思い出とも、『氷菓』は繋がっていて。歴史学を一緒に学んだ連中とのかけがえのない思い出のひとつというか。その意味でも、『氷菓』はぼくにとって忘れられない思い出のひとコマなんですよね、はい。というわけで、『氷菓』が好きな人は歴史学とのシンクロ率が高いこと請け合いですよ!

 

 こんな感じで取りとめのない文章を書いてみました。夏だしちょっとはノスタルジーにひたってもいいかな、なーんてね。

 

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