『クリード チャンプを継ぐ男』をみました。正直予告とかみた印象では『ロッキー』の七光り映画ェ...って感じでみにいく気はそんなになかったんですが、評判があんまりいいもんで足を向けました。見終えて、正直、なめててすまんかった...と。優勝です。以下適当に感想。
伝説のボクサー、アポロ・クリードには息子がいた。アポロと愛人とのあいだの息子、アドニス・ジョンソンは、育ての親のであるアポロの妻、メアリー・アンの期待通りサラリーマン稼業をつつがなくこなしていたが、その傍らメキシコでボクシングをせずにはいられない。そしてある日、アドニスはボクシングの道を選び取り、それが父の親友、ロッキー・バルボアのもとへと彼を導く。
ロッキーがアポロの息子を鍛える、っていうストーリーを耳にしたときは正直、なんちゅー安直な!と思ってしまったのですが、いやー、このコンビがよかったです。現代の若者!って感じのアドニスと、すっかりおじいちゃんという感じのロッキーのコンビはみていてすごく楽しかった。「クラウド」をめぐるやりとりとか最高。
ロッキーからアドニスへチャンピオンの魂みたいなものが受け継がれていくわけですが、単にロッキーをフェードアウトはさせないぞという感じが非常によかった。妻にも友人にも先立たれ、もはや人生にやり残したことはないといわんばかりのロッキーを、「お前も俺と一緒に戦え」と叱咤するアドニスに、なんというかシルヴェスター・スタローンという映画人へのエールを感じるというか。というかこのロッキーの病をアドニスが知ってしまう一連の話の運びの間抜けさと自然さがかなり好きです。いやもちろん深刻な場面なんですが、いかにもおじいちゃんがかましそうなミスを自然にやらせるあたりうまい。なんというかそんな感じでチャーミングなロッキーがこの映画の大きな魅力の一つなのかも。
ボクシングのシーンももちろんすごかった。長回しすごい。メインテーマずるい。そんな感じで、ようやくロッキーという伝説も次の世代にバトンを渡せたという意味で、『クリード』はすごい映画だなあと思いました。
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【作品情報】
‣2015年/アメリカ合衆国
‣監督:ライアン・クーグラー
‣脚本:ライアン・クーグラー、アーロン・コヴィントン
‣出演
- マイケル・B・ジョーダン - アドニス・ジョンソン
- シルヴェスター・スタローン - ロッキー・バルボア
- テッサ・トンプソン - ビアンカ
- アンソニー・ベリュー - “プリティ”・リッキー・コンラン
- グレアム・マクタヴィッシュ - トミー・ホリデー
- フィリシア・ラシャド - メアリー・アン・クリード、アドニスの母親
- アンドレ・ウォード - ダニー・ウィーラー