宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

(告知)コミックマーケット91 3日目にて個人誌頒布します

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 えー、昨日なんとかぎりぎりで入稿できまして、来たる冬コミで、個人誌『失われゆくものすべて――『氷菓』試論』を頒布いたします。アニメ版『氷菓』の評論本です。価格は500円の予定です。3日目、12月31日にアニメクリティーク刊行会@東V50bさまのブースにおきまして、委託頒布させていただく運びになっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。以下、内容について若干の紹介を。

  今回、『失われゆくものすべて――『氷菓』試論』と題しまして、評論本出します。目次は以下の通りです。

序章 失われゆくもののために 
第一章 「謎」の二つの相貌 
第二章 叫びを聴く探偵――「氷菓」編 
第三章 探偵の死角、愚者の慧眼――「愚者のエンドロール」編 
第四章 期待と希望――「クドリャフカの順番」編 
第五章「特別」であることの二つの意味
終章 「優しさの理由」のほうへ
補章 学校と地方――『氷菓』をめぐる環境について 

  全45頁、3万字弱になります。

  以下にまとめてある、本ブログで散発的に書いてきた『氷菓』に関する文章を「ミステリー」と「青春ドラマ」という形式を手がかりとし、「失われゆくもの」を全体を貫くモチーフとしてひとつながりのテクストとして再構成し、大幅に加筆・修正したものです。


 実写映画化の発表、原作シリーズの新刊出版と、今年は『氷菓』に関わるニュースが相次いだわけですが、本誌ではあくまでアニメ版に主軸をおき、原作では描かれたけれどもアニメ版にはみられないエピソード(たとえば『ふたりの距離の概算』・『いまさら翼といわれても』)の内容には言及していません。これは、アニメ版を原作とは独立し、それ自体閉じた作品世界を構成するものとして捉えたためです。原作への言及も多少含まれますが、それはあくまでアニメ版と原作との差分を強調するために行ったものです。

 というわけで、アニメ『氷菓』をご覧になっている方に、ふたたび作品と出会ってもらえるような、そういうテクストになっていたらいいなと思っております。もしコミケ3日目いけないけれど欲しい!という奇特な方がいらっしゃいましたら、Twitterでご一報くださればなんらかの手段でお渡ししようと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。