宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2018年7月に読んだ本と近況

さすがに暑すぎました。

先月の。

2018年6月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬

 印象に残った本

 

文学問題(F+f)+

文学問題(F+f)+

 

 

 特に印象に残っているのは山本貴光『文学問題(F+f)+』。「ラノベは文学じゃない」だって?そんなこと言ってると漱石夏目金之助に張り倒されますことよ?という本です。(ほんとか?)

読んだ本のまとめ

2018年7月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:7108ページ
ナイス数:215ナイス

気が変わって今月から漫画単行本も登録しておこうと思います。

https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly

 

 ■きのう何食べた?(1) (モーニング KC)
 メシを作って食べることがあくまで中心にあって、人間関係のあれこれはあくまで添え物という感じで、なんというかつるっと読めてしまいますね。それがなんとなくありがたい。

 モーニングに載ってると読んでたんですが、ちゃんと読もうと思います、はい。
読了日:07月01日 著者:よしなが ふみ
https://bookmeter.com/books/580515

 

 

きのう何食べた?(2) (モーニング KC)
話の中心にないからこそ、両親の話が結構あれですね、心にきますね。
読了日:07月01日 著者:よしなが ふみ
https://bookmeter.com/books/572975

 

 ■きのう何食べた? 3 (モーニング KC)
サッポロ一番みそラーメン!
読了日:07月01日 著者:よしなが ふみ
https://bookmeter.com/books/576674

レーン最後の事件 (角川文庫)

レーン最後の事件 (角川文庫)

 

 ■レーン最後の事件 (角川文庫)
 ドルリー・レーン、最後の舞台。自身で現実という舞台を動かしたいという欲望の帰結。「批評家」たる探偵の領分をはるかに超えたその望みが魂を蝕み、それでも役者であることをやめられなかった男の悲劇。これは確かに4部作であるなあと思いました。
読了日:07月03日 著者:エラリー・クイーン
https://bookmeter.com/books/4072766

 

興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード (講談社学術文庫)

興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード (講談社学術文庫)

 

 ■興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード (講談社学術文庫)
 ムハンマドによるイスラーム誕生から正統カリフ時代ウマイヤ朝アッバース朝朝を経ていきなり20世紀のジハードへ、という結構大胆な構成。宗教集団から国家へ、そして普遍化した帝国へと変わりゆくなかでの試行錯誤と蛇行とが、読んでいて単純におもしろかったです。
読了日:07月05日 著者:小杉 泰
https://bookmeter.com/books/1121282

 

先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学

先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学

 

 ■先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学
 プラトンの著作にある先史時代の記述を、実際の遺跡や考古学の知見をもとに読解し、古代文明の輪郭を浮かび上がらせようと試みる。オカルト的な興味で語られがちなアトランティス伝説ではなくて、地震による水没や大きな戦争などは、その痕跡が先史時代の遺跡から推察できるみたいな話はおおなるほどなあと思ったのだけど、現代考古学についてぜんぜん知らないので本書の叙述の妥当性ってぜんぜん判断できなくてちょい勿体無いなと思いました。
読了日:07月08日 著者:メアリー・セットガスト
https://bookmeter.com/books/12786547

 

 ■私学的、あまりに私学的な 陽気で利発な若者へおくる小説・批評・思想ガイド
 著者が大学で実践している講義を、1年から院まで向けに整序して提示するような構成。故に前半はライトな短文が多いが、後半に行くほどヘヴィな論考が増えてゆく。蓮實重彦的テマティズムをある種の技術として学生に身体化させようというのが、著者のおおまかな指針だったのだろうなあと推察される。私学的とは蓮實重彦的の意なのかとかちょい思いました。べつにああいうことがあったからではないですが、マッチョだなあと思いました。
読了日:07月08日 著者:渡部 直己
https://bookmeter.com/books/616626

 

スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) (創元SF文庫)

スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) (創元SF文庫)

 

 ■スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) (創元SF文庫)
 ゲームをモチーフにしたSF短編のアンソロジー。ケン・リュウ、アンディ・ウィアーの売り出し中の大物から、初邦訳の作家まで(むしろこちらのほうがメインなんだろうか)、ゲーム的なるものを小説に組み入れて物語を語る語る。ゲームのインタラクティブ性をお話にかなり直截に取り入れてるよなあという印象。面白く読みました。
読了日:07月09日 著者:ケン・リュウ,桜坂 洋,アンディ・ウィアー,アーネスト・クライン,ヒュー・ハウイー,コリイ・ドクトロウ,チャールズ・ユウ,ダニエル・H・ウィルソン,チャーリー・ジェーン・アンダース,ホリー・ブラック,ショーナン・マグワイア,デヴィッド・バー・カートリー,ミッキー・ニールソン
https://bookmeter.com/books/12655984

 

武士の日本史 (岩波新書)

武士の日本史 (岩波新書)

 

 ■武士の日本史 (岩波新書)
 平安時代に武士的なるものが登場してからそれが変質してゆく過程を後付け、また江戸期から近代にかけて実像から離れた武士の虚像が、ときにプラグマティックに形作られてきたことを論じる。単なる武士論を超え「武士論」論まで踏み込んでいるところに本書のおもしろさはあるように感じた。中世の武士の戦闘の実際なんかについての記述も厚くて勉強になりました。
読了日:07月12日 著者:高橋 昌明
https://bookmeter.com/books/12860681

 

紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)

紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)

 

 ■紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)
 表題作のファンタジックな道具立てと、それが歓喜する痛切さといったらないですよ。ほか、太平洋間にトンネルが掘られた世界の歴史の輪郭が次第に露わになる「太平洋横断トンネル小史」、暖かな関係が好奇心によって血まみれになる「文字占い師」など、アンソロジーかと思うほど作風の幅が広くておもしろく読みました。そのなかに作家自身のアイデンティティの問題がほの見えてきて、それが強いアクチュアリティを帯びている、気がする。
読了日:07月12日 著者:ケン リュウ
https://bookmeter.com/books/11705166

 

古代ローマ旅行ガイド (ちくま学芸文庫)

古代ローマ旅行ガイド (ちくま学芸文庫)

 

 ■古代ローマ旅行ガイド (ちくま学芸文庫)
 まさに発想の勝利という本で、無味乾燥に羅列されたら3秒で興味を失う類のトリヴィアルな知識を旅行ガイドという体裁で整理して提示し、しかもそのトリヴィアルな知識の積み重ねによって2世紀前後のローマの姿が現実感を伴って立ち現れてくる。使えるラテン語会話も付録で付いていて、これでいつ銭湯から古代ローマに飛ばされても安心というものです。
読了日:07月14日 著者:フィリップ マティザック
https://bookmeter.com/books/1284229

 

ビスマルク - ドイツ帝国を築いた政治外交術 (中公新書)
 

 ■ビスマルク - ドイツ帝国を築いた政治外交術 (中公新書)
ビスマルクの評伝。彼を取り巻く様々な神話を解体し、保守と革新の両面的な要素をもち、急場しのぎで難局に対応していった様子を描く。ビスマルクその人を描くことはまさしくプロイセンからドイツ帝国の政治史ないし外交史を叙述することなんであるなあと思いました。
読了日:07月14日 著者:飯田 洋介
https://bookmeter.com/books/9046008

 

語る藤田省三――現代の古典をよむということ (岩波現代文庫)

語る藤田省三――現代の古典をよむということ (岩波現代文庫)

 

 ■語る藤田省三――現代の古典をよむということ (岩波現代文庫)
 強烈な教師ってのは教祖に似ていて、価値判断の基準そのものを内面化せよと迫るような要請を放っているように感じられる。故事新編にルネッサンスとルビを振るのは抜群にいい。
読了日:07月16日 著者:
https://bookmeter.com/books/11960197

 

人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)

人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)

 

 ■人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)
 人間のあいだの不平等はいかにして生まれたのか。思考実験によって仮設された人類史をもとにその問いに答えようと試みる。ルソーの想定する自然状態は、ホッブス的なそれとは対照的な野生人のユートピアであり、そこから人類が家族や言語、そして農耕段階を経るごとに不平等が彫像されていく過程を論ずる。平易な言葉で書かれているのですらすら読めてしまうが、ここから何を引き出せるのかと言われると、素人には結構難しい気がする。倫理学の本としては読めない感じするので。
読了日:07月18日 著者:ジャン=ジャック ルソー
https://bookmeter.com/books/478708

 

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)

 

 ■社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)
 市民社会において、あるべき政治体制と統治について論じる。重田『社会契約論』でも書かれていたように記憶しているが、平易な言葉で書かれていることは決して「理解しやすい」ことを意味しない。一般意志、個別意志、団体意志などの用語にどのようなニュアンスが込められているのか、その機微を弁別するのにも難儀するし、論点は流れるように横道に逸れて行く。「あるべき社会」の構想は刺激的なように思えたが、現在の我々が読むとそれはナチスの統治を想起させもして、議論を追うのも、それをいかに自分の問題として捉えるかも、難解でした。
読了日:07月21日 著者:ジャン=ジャック ルソー
https://bookmeter.com/books/475988

 

青い花(1)

青い花(1)

 

 ■青い花 1巻 (F×COMICS)
 涙のように流されやすい。大人と子供のあいだで揺れ動く万城目ふみさんの異様な魅力。
読了日:07月22日 著者:志村 貴子
https://bookmeter.com/books/573990

 

青い花(2)

青い花(2)

 

 ■青い花 2巻 (Fx COMICS)
 涙は意味より速く流れるので、私たちは往々にしてそれに追いつけないのです。
読了日:07月22日 著者:志村 貴子
https://bookmeter.com/books/57399

 

青い花(3)

青い花(3)

 

 ■青い花 3巻 (Fx COMICS)
彼女の「ごめんなさい」は、果たして届いたのだろうか。
読了日:07月24日 著者:志村 貴子
https://bookmeter.com/books/573993

 

文学問題(F+f)+

文学問題(F+f)+

 

 ■文学問題(F+f)+
 漱石夏目金之助は考えに考えた。いったい、文学とはいかなるものなのか、と。その『文学論』を読み解いて足場として、漱石が探求した文学問題にさらなるアップデートを期す。まず丹念に『文学論』を読解してくれるのが有難い。夏目漱石を道具として使って、現代の文学はいかに眺めうるのか、そして漱石未踏の領域の深さと広さよ。「則天去私」の漱石を殺し「自己本位」の漱石を活かすある種の漱石論が背景にある気がする。短くはないがまったく退屈しなかった。おもしろかったです。
読了日:07月24日 著者:山本 貴光
https://bookmeter.com/books/12404957

 

興亡の世界史 東インド会社とアジアの海 (講談社学術文庫)

興亡の世界史 東インド会社とアジアの海 (講談社学術文庫)

 

 ■興亡の世界史 東インド会社とアジアの海 (講談社学術文庫)
 17世紀から18世紀にかけてのアジア世界、引いては地球規模の大きな変化を、東インド会社を主役に語ろうとする試み。ヨーロッパにおける主権国家の黎明期には、アジアでは未だに主権国家とは質を異にする「陸の帝国」が大きな力を持っていた。その陸の帝国の論理の間隙をついて、海の帝国たるポルトガルやオランダが勢力を伸ばしていくあたりのダイナミズムが非常に面白かった。
読了日:07月28日 著者:羽田 正
https://bookmeter.com/books/12406071

 

中国「反日」の源流 (講談社選書メチエ)

中国「反日」の源流 (講談社選書メチエ)

 

 ■中国「反日」の源流 (講談社選書メチエ)
 近世から近代への移行期における、日本と中国との比較史の試み。それぞれが、領域の広さなどの個別の事情に対応するため、どのように統治のシステムを構築していったのかを辿り、その差異によってこそ、関係の齟齬が生じ、「反日」と「嫌中」の感覚が醸成されていったとする。挑発的なタイトルで損をしているのではないかと心配になるが、巷に溢れるヘイト本とは全くジャンル違いの啓蒙書です。コンパクトで明快な評伝『李鴻章』(岩波新書)の著者ですから当然ですが。
読了日:07月28日 著者:岡本 隆司
https://bookmeter.com/books/1970350

 

 ■仕事としての学問 仕事としての政治 (講談社学術文庫)
第一次大戦末期から終戦直後の不安が覆う時代に紡がれた言葉は、この新訳によって初めて「今」に届くものになる。」との売り文句に偽りなし!元になったのが講演という話言葉であることを思えば、今風の言葉遣いでウェーバーを蘇らせたこの新訳によって、当時の聴衆とぼくたちとの距離は近づいたのではないか、とすら思う。訳注もウェーバーが前提としていた文献の示唆であるとか、後世に掘り下げられた論点の文献案内まで付いていて至れり尽くせりとはこのことです。
読了日:07月31日 著者:マックス・ウェーバー
https://bookmeter.com/books/12879307


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近況

フォースの外へ――『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』感想 - 宇宙、日本、練馬

お仕着せの物語に抗うこと――『万引き家族』感想 - 宇宙、日本、練馬

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「いま」と過去/未来――『未来のミライ』感想 - 宇宙、日本、練馬

ジュラシックワールドは感想書くのさぼってますね。まあ気が向いたら書くでしょう。