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映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

アニメ『武装少女マキャヴェリズム』感想

Shocking Blue

 ネトフリから流れている『武装少女マキャヴェリズム』をみていたんですけど、楽しかったです。以下感想。

  武術に長けた女生徒が支配する学園!虐げられる男ども!そこにあらわる転校生!学園という箱庭で、因縁の宿敵同士が再びまみえる!

 流れ者が諍いを解決する『用心棒』『椿三十郎』的シチュエーションを、『グラップラー刃牙』的薀蓄系格闘漫画のエッセンスをまぶし、『魁!!男塾』的ばかばかしさで、記号的美少女たちが死闘を演じたり演じなかったりする。

 この作品が優れているのはそうしたコラージュのうまさと記号のテンプレ的操作の巧みさで、大塚英志『キャラクター小説の作り方』のお手本のような作品ではという感じがした。先行する作品を資源として、その資源のよさをうまく引き出して組み合わせ、一つの作品に仕上げることで、楽しい時間と空間を演出できるのだなあと。

 『グラップラー刃牙』的な薀蓄格闘漫画って明らかに漫画的な時間の詐術に拠って立つことで成り立っているのではと思うんだけど(だからそれを馬鹿真面目に再現しているいま放映中の「最強死刑囚編」は奇妙なおかしみが(原作のそれ以上に)あるように思うのだけど)、『武装少女マキャヴェリズム』はもうルックが馬鹿なので(刃牙のルックも馬鹿だけど)、なんかいいのでは、みたいな。

 主人公の二人称が「おたく」なので「お前はおたくか?」という気持ちになりましたが、そういう話ではありませんでしたね。おもしろかったですはい。