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映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

『デス・ウィッシュ』感想

Death Wish [DVD]

  『デス・ウィッシュ』をみました。以下感想。

  世紀末都市シカゴ。強盗に妻を殺され、娘も意識不明の重体となった外科医が、警察の無力を目の当たりにし、自ら銃をとって立ち上がることを決意する。

 『狼よさらば』のリメイク、あるいは同名小説の再映画化。自警団モノ。団じゃないけど。たとえば『キックアス』においては、アメコミヒーローという明確な参照軸があるわけで、それがコミカルな調子を作品に与えるわけだが、この復讐劇では主人公はそうしたコミカルなガワをまとうことは許されない。とはいえ軽快な調子は作品のなかにあって、それはYou Tubeで銃の取り回しを学ぶ主人公の姿とか、あっという間にSNSで拡散されてしまうとか、いかにも今っぽいガジェットが奇妙に軽いノリを作品に与えてもいる。あと拷問シーンやその結末は明らかに趣味の悪い笑いを喚起する。

 陰惨な主題に似つかわしくない明らかに楽しい悪趣味娯楽映画になってるのだけど、銃規制をめぐる議論が紛糾しているあちらの状況が、そうした読みを許さないのだろうな、とは思う。それはやっぱり悲しいことだ。

 

 

Ost: Death Wish

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