『GODZILLA ゴジラ』を3D・字幕版で見ました。見たのは8月2日なのでもう4日も前のことなんですが、なぜ見てすぐに感想を書かなかったのかというと、「楽しかった」以外の感想がとくに思い浮かばなかったからなんですね。ネット上の感想をみるに、賛よりの賛否両論といった感じの評価っぽい印象なんですが、僕は特に不満に感じることもなく。ただただ楽しかった。楽しかったとだけ書くのもあれ何で、どんなとこが楽しかったかというのを適当に書いとこうと思います。
その「咆哮」の凄まじさが楽しい!
まずなにより印象に残っているのは、ゴジラの、そして敵役たるムートーの咆哮。こればっかりはシネコンの大音響の威力が真価を発揮してるんじゃないかと思います。上映前の予告で、何度もゴジラの咆哮は聞いていたんですが、いやはや本編で聞くと全く迫力が段違いですんばらしかった。
全編通して、人の目線から怪獣をとらえるという路線で画面構成がなされていたりとか、人間のすぐ横を怪獣に横切らせたりだとか、人間にとっての災害として怪獣を描くことでその恐怖感を演出していたと思うんですが、なにより恐怖感を高めたのがこの雄たけびなんじゃないかと思います。ストーリー上では、ゴジラは善玉、ムートーが敵役という構図なわけなんですが、ゴジラも十二分に恐ろしい。金門橋で米軍と対峙する場面なんか特に。あそこは避難している民間人の乗るバスから米軍へとスムーズに視点が移行したりとか、見ていて爽快な映像感覚があったような気がします。
容赦なく破壊される街を見るのが楽しい!
これ普通に不謹慎極まりないことだと思うんですが、それでも言いたい。ゴジラとムートーが大暴れして太平洋に面した大都市をぶっ壊すさまは、正直言って爽快感を感じた。実際破壊されたのって、日本の架空の都市であるジャンジラ、ハワイのホノルル、アメリカはラスベガスとサンフランシスコと太平洋を横断する形になっている。
特に印象に残ったのは、やっぱりホノルル。東日本大震災から早3年が経過しているとはいえ、特に上映前にエクスキューズが出ることもなく津波で街が破壊され、人が死ぬのは正直衝撃的だった。『ヒア・アフター』なんかも津波のシーンがあるらしいんですけど(僕は未見です)、あれはパッケージに目立つような感じで記載されているじゃないですか。対して本作はそんな注意書きなどなし。これって知らずに見たらすごくやばい気分になる人がいるのでは...と思ったりもしたんですが、震災以降、こういう形のクライシスの場面を見ていなかったので、余計記憶に残りました。
あとやっぱり大都市がぶっ壊されるのは楽しい。暗い爽快感が喚起されるというか。だからやっぱりゴジラさんにはもっと大暴れしてほしかったっていうのはあるんですよね。『巨神兵、東京に現る』的に、ただただ破壊の限りをつくす映画だと僕は見る前には思ってましたからね。とはいえ、ムートーさんの方がむしろよく頑張って街を壊してくれて、それはそれでよかった。敢闘賞をあげたい。巨神兵と違ってすげービームとか吐けるわけじゃないのに良く頑張ったと思いますよ僕は。
というわけで、僕はとても楽しかったです、ギャレス・エドワーズ版ゴジラ。次回作はキングギドラやらモスラやらラドンが出るらしいともっぱらの噂ですが、ぶっ壊されるのはアメリカ東海岸でしょうか。どこでもいいので怪獣たちが破壊の限りを尽くしてくれるのを心待ちにしております。
【作品情報】
‣2014年/アメリカ
‣監督:ギャレス・エドワーズ
‣脚本: マックス・ボレンスタイン、フランク・ダラボン、デヴィッド・キャラハム、デヴィッド・S・ゴイヤーほか
‣出演(日本語吹き替え)
- フォード・ブロディ大尉:アーロン・テイラー=ジョンソン(小松史法)
- 芹沢猪四郎博士:渡辺謙
- ジョー・ブロディ:ブライアン・クランストン(原康義)
- エル・ブロディ:エリザベス・オルセン(波瑠)
- サム・ブロディ:カーソン・ボルド(櫻井優輝)
- ヴィヴィアン・グレアム博士:サリー・ホーキンス(高橋理恵子)
- サンドラ・ブロディ:ジュリエット・ビノシュ(山像かおり)
- ウィリアム・ステンツ少将:デヴィッド・ストラザーン(佐々木勝彦)
- ラッセル・ハンプトン大佐:リチャード・T・ジョーンズ(乃村健次)
- トレ・モラレス軍曹:ヴィクター・ラサック(櫻井トオル)
- ジェインウェイ:タイ・オルソン(丸山壮史)