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幸せの、青い――『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』感想

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス 特別版パンフレット

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』(原題:Guardians of the Galaxy Vol. 2)を2D字幕版でみました。大変楽しかったです。以下感想。

  『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの2作目で、『マーベル・シネマティック・ユニバース』の映画としては15作品目にあたる。前作は3年前に劇場でみたっきりで、いや内容憶えてるつもりだったのですがvol.2を見始めてほとんど記憶の彼方であることに気付く。思い返せば前作以来とくに他作品とがっつりコラボしているわけでもなく、圧倒的にご無沙汰ではあったわけで、アメコミ映画の魅力の大きな部分を占めるであろう(と僕が勝手に思っている)キャラ萌え的には大きなハンデを背負っての鑑賞となったわけですが、しかしまあそんなハンデをものともしない楽しさ。もうキャラのバックボーンとかどうやってチーム結成に至ったのかとか忘れちゃってたけど、みんな元気でいてくれてよかった。

 お話的には、実の父エゴと育ての親ヨンドゥという明確な対立軸を提示し、かつ仲間たちの家族の挿話を絡めてドラマを駆動させていくという非常に手堅いつくりだったように思う。よくいえばウェルメイド、あえて悪く言うなら予定調和ともいえるような気がするが、その予定調和の支配する世界感覚のなかでいかに新鮮なドラマを作り続けるか、ということがこの『マーベル・シネマティック・ユニバース』系列作品の背負った宿命であるという気もするので、いまさらその予定調和性を腐しても仕方ないでしょう。もっとも、「予定調和」というレッテル自体、僕が作品を適切に読み取れていないことから生じる感覚なのかもしれないとも思うのだけれど。

 それはさておくとして、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』がその予定調和性を打破するための道具として用意したのは、性格も種族もバラエティ豊かな主人公チームのメンツ、宇宙という壮大な舞台、そして何より物語を彩る懐メロだと思うのだけれど、それらが作品を楽しいものにしていた1作目に引き続き、この2作目でも成功を収めているように感じる。とはいえ、父と子という主題は『マイティ・ソー』やら『アイアンマン2』やらで散々語られてきたテーマではあるわけで、そこに生みの親/育ての親という対立軸を明確に持ち込んだことは本作の新味かなあとも思う一方、それについての決着のつけ方、幸せの青い鳥ならぬ幸せの青い親父的な結末はあまりに予定調和な型にはまりすぎているのではという感触があったのは確かで、なにかもっと突き抜けるものをみせてほしかったという気持ちは強い。

 というわけで、大変楽しかったんですがもうひと押しという感じもまたあり、このチンピラ軍団がMCUの他作品とコラボするのをはやくみたいなという気持ち。

 

 

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックス・VOL.2(オリジナル・サウンドトラック)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックス・VOL.2(オリジナル・サウンドトラック)

 

 

【作品情報】

‣2017年/アメリカ

‣監督:ジェームズ・ガン

‣脚本:ジェームズ・ガン

‣出演