元気です。
先月の。
印象に残った本
一冊選ぶなら『82年生まれ、キム・ジヨン』。すげえ啓蒙的かつ仕掛けが巧みですんばらしかったです。
読んだ本のまとめ
2020年1月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3388ページ
ナイス数:128ナイス
https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly
■風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)
異世界を舞台にしたウェルメイドな成長譚を、陳腐なものにしない語りの巧みさよ。多用される漢語が異世界に実質と厚みを持たせているという気がして、流石長寿シリーズ!という気持ち。
読了日:01月01日 著者:小野 不由美
https://bookmeter.com/books/5424823
■新記号論 脳とメディアが出会うとき (ゲンロン叢書)
記号論という学問を、現在の情報環境に対応したものにアップデートしようとする試み。話題の展開が早すぎて一読しただけではあんまりわかってない感じがします。脳科学の知見を大胆にフロイトの読みに接続していく手つきが非常にスリリングでした。
読了日:01月11日 著者:石田 英敬,東 浩紀
https://bookmeter.com/books/13546793
■郵便的不安たちβ 東浩紀アーカイブス1 (河出文庫)
「ソルジェニーツィン試論」をいま読み返すと、東の仕事のおそるべき一貫性が見えてくる気がしてビビりました。時評的な文章もいまでも全然読むに耐える。
読了日:01月11日 著者:東 浩紀
https://bookmeter.com/books/3003405
■増補新版 ゴダール マネ フーコー ―思考と感性をめぐる断片的な考察―
マネ≪フォリー=ベルジェールのバー≫来日を奇貨として増補版が出版されたと思しき本書のおもしろさは、やはり映画のサイレント性をめぐる議論にあると思う。あるいはフーコー『マネの絵画』の必然的な理由について。
読了日:01月15日 著者:蓮實重彦
https://bookmeter.com/books/14540740
■イタリア・ルネサンスの文化 上 (ちくま学芸文庫 (フ-13-11))
偉大なる時代の偉大なる書物!歴史家にこうした自由が許された時代の幸福な空気を存分に吸った、恐るべき博覧強記が遺憾なく発揮された本書の語りにはうっとりするしかない。うっとりするしかないのである。
読了日:01月15日 著者:
https://bookmeter.com/books/13668696
■82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)
大韓国に生まれた普通の女性の一代記。韓国社会のミソジニーの構造がひとりの人間の人生にどのように流れ込んでくるのか、様々な挿話を適切に提示して描く本書はきわめて戦略的で啓蒙的。無駄のない語りすら必然のものとする仕掛けがお見事でした。
読了日:01月20日 著者:チョ・ナムジュ
https://bookmeter.com/books/13271683
■月の影 影の海(上) (講談社文庫)
逃げ場なし、帰る場所なし、出会う人間すべて人でなしの孤立無援四面楚歌に戦慄する。ハードモードすぎる。
読了日:01月22日 著者:小野 不由美
https://bookmeter.com/books/570726
■月の影 影の海(下) (講談社文庫)
読後の爽快感がなんとも言えず、上巻のかなり不全感を喚起する展開はこのためだったかと。お見事でした。
読了日:01月22日 著者:小野 不由美
https://bookmeter.com/books/570728
■東の海神 西の滄海 十二国記 (講談社文庫)
天帝の意志vs.簒奪者の対決はまた別の仕方でなされるのをみたいすなあ。室町と異世界とを往復しながら語られる王の物語は、今までの挿話の中でいちばん好きかも。
読了日:01月31日 著者:小野 不由美
https://bookmeter.com/books/574401
■日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実 (中公新書)
アジア太平洋戦争下で、兵士がいかに死んでいったのか、先行研究を極めてスマートに引用しつつ概説する。本書の語りの特徴の一つは、とにかくその事実を裏付けた証言者の名前を執拗に記し続けたことだろう。安易で愚かな戦争賛美に対して、生々しい固有の名前を対置する本書の戦略は圧倒的に正しい。
読了日:01月31日 著者:吉田 裕
https://bookmeter.com/books/12485361
近況
『アナと雪の女王2』、『フォードvs.フェラーリ』をみました。