TOKYO2020!!!ふはは!!!
先月の。
印象に残った本
一冊選ぶならこれしかないでしょう。破格です。
読んだ本のまとめ
2020年7月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:3295ページ
ナイス数:109ナイス
https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly
■渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)
核戦争後の世界。放射能の脅威は北半球から次第に南下し、ついにはオーストラリアまで達しようとしていた。人類最後の日の訪れを淡々と描くこの作品は、解説の述べるように、人類はほんとうは気高いはずだ、という祈りなのだと思う。事件らしい事件を起こすことなくこの終末を書ききる胆力に、時の試練に打ち勝った古典の凄みを感じました。
読了日:07月02日 著者:ネヴィル・シュート
https://bookmeter.com/books/143005
■それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)
このありふれた都市で営まれる牧歌的で幸福で、それ自体で満ち足りたような生活は、言うまでもなくある種のファンタジーであるのだが、しかしさながら砂漠の蜃気楼のごとく彼我の遠近感を奇妙に狂わせる魔力がこのテクストには宿っていて、それがこの小説の魅力であることは言うまでもないのであるが、その幸福な魅力のまとう裏腹の残酷さに、むしろいまのわたくしは打ちのめされるのである。
読了日:07月03日 著者:吉田 篤弘
https://bookmeter.com/books/572792
■おおきな森
ガルシア=マルケス、コルタサル、ボルヘス。坂口安吾。そしてある作家。三組の冒険。石原莞爾と宮沢賢治。満洲国とイーハトーブ。三つの京都。冗長に冗長を重ねる本書の感触は分け入っても分け入ってもその全容を把握することかなわぬ、まさしく森の如し。よくもまあこれほどの散漫さを現出させたものだと感嘆しつつ、その散漫さのうまくなさこそこのテクストの味わいなのかもしれぬ。
読了日:07月14日 著者:古川日出男
https://bookmeter.com/books/15763038
■三体Ⅱ 黒暗森林 上
人類の未来をその頭脳に託された「面壁者」。それを阻止すべく動く「破壁人」。人類の終末を阻止すべく戦う人間たちの思考と行動とは前作と桁違いのスケールとスピードで、あのめちゃくちゃにおもしろい『三体』ですらこの終末戦争のための序章に過ぎなかったのかと慄く。智子による監視・技術革新の阻止という設定による縛りが巧妙に機能してドラマを制約しつつ、しかし奔放に我々を翻弄してみせる想像力!とてつもない馬力にほんとうに嬉しくなる。すげえ小説ですよ。
読了日:07月15日 著者:劉 慈欣
https://bookmeter.com/books/15798153
■三体II 黒暗森林 下
面壁者の男が謎めいた呪文を遺して冬眠してから200年。人類は未曾有の繁栄を遂げていたかに見えた。三体人の恐るべき尖兵が迫っているとも知らずに。異様に巨大化したスケールの物語を、数少ない人間に焦点を当てて語り切ってみせる腕力。そのおもしろさを微塵も疑わない自信がテクストに漲り、それがはったりではないのだから尋常でない。お見事でした。
読了日:07月17日 著者:劉 慈欣
https://bookmeter.com/books/15798154
■不快な表現をやめさせたい!?
あいちトリエンナーレや『宇崎ちゃん』ポスター問題をとっかかりに、我々は表現の自由とどう向き合うべきかを論じる。引用と整理が非常に適切で、かつそれぞれが適切な感度のアンテナ(それを本書は「ポリコレ棒」と名指すのだが)を装備すべき、という結論はどストレートのまっとうさ。批判するなら丁寧に、というのも至極その通りだと思う。本書に整理されてるくらいの内容はもう前提として共有されてほしいものですわね。
読了日:07月18日 著者:紙屋 高雪
https://bookmeter.com/books/15426277
■あがない
薬物中毒から殺人の片棒を担いだ過去を背負う男。ひたひたと不気味に忍び寄る過去。『闇金ウシジマくん』的なモチーフを文芸誌的な語りで包む表題作と、公務員が新潟で過ごす一夜を描く「不実な水」所収。急にサイコサスペンス的な味付けになるのでやや面食らったが、結末はいかにも文芸誌という感じ。
読了日:07月18日 著者:倉数 茂
https://bookmeter.com/books/15922346
■明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
明治初期、弾正台の役人である川路利良と香月経四郎、神がかりのフランス女エスメラルダ。役人どものおこす奇怪な事件の数々は、凝った装置も相まって本格推理小説の風格を漂わすのだが、なんといっても聞きしに勝るラストの仕掛けはお見事でした。歴史上の人物たちがふらふらと登場して場面を賑わすのも楽しい。
読了日:07月30日 著者:山田 風太郎
https://bookmeter.com/books/4955265
近況
来月の。