トーハクの企画展いくの、めっちゃ久しぶりだったかもしれません。以下感想。
本企画展の大きなテーマは、室町後期から江戸初期にかけて、いわば中世から近世への移行期のなかで、美しさをめぐる感性がどのように変容してきたか、というところにあるだろう。その変化のまさに中核をなす時期として、桃山時代が掲げられている。
国内各地から集めらたモノを通して、なんとなく、室町的な枯淡の美が次第に桃山的な絢爛な調子を帯びていくのを感覚できて、それが非常におもしろいと感じました。モノクロの水墨画一つとっても、ある種の外連味のようなものが次第に画面に現れてきて(たとえばそれは梅の木を龍の如く書きつけてしまう感性である)、非常に素朴な反映論的な見方であんまりよくないんだろうなとは思いつつ、まさに大きな変容を遂げるただなかに生きた人間の呼吸が感受されるわけです。
さて、今回はじめて日時指定のかたちの企画展に足を運びましたが、これがほんとうに快適極まりなく、「唐獅子図屏風」なんか眺め放題でしたので、大変ありがたかったです。いままでのあれはよくないですよ、絶対。
南蛮人からもたらされたであろう情報をもとに書かれた地図をみると、世界のかたちが意外なほど正確に写し取られていて驚いたり、常設展の刀剣乱舞フィーバーを感じさせる動線になるほどねとなったり、楽しかったです。