『女子高生の無駄づかい』をみたので、以下感想。
さいのたま女子高等学校に通う3人の少女。バカ、ヲタ、ロボと呼び合う彼女たちの、他愛ない日常。
ビーノによるギャグ漫画のアニメ化。アニメ放映が2019年で、その翌年には実写ドラマ化もされている。アニメ化はともかく、よくもまあ実写化企画が通ったなという感じはするが、ドラマのほうもスラップスティックというかナンセンスというか、そういう空気感がうまく出ていて素朴な驚きであった。
ただ、キャラクターが極めて効率的に記号化された(バカ、ヲタ、ロボ等のあだ名の恐れを知らぬ安直さ!)作品世界を十全に現前させうるのは、やはり記号の世界たるアニメの特権だとも思う。ロリは実写の世界だとそこまで幼くみえないし。
赤﨑千夏のほんとうに「バカ」に聴こえる演技が作品を見事に牽引し、楽しい時間を演出することに成功していると思うが、この作品の魅力のひとつはどことなく感じられるやぼったさで、そこに惹かれるところ大であった。
そのやぼったさとは、端的にいって、この作品の舞台となっている西東京的、西武線沿線的野暮ったさなのだと思う。たとえば、同じく東京西部を舞台にしていても、『SHIROBAKO』にはこの野暮ったさはない。『おちこぼれフルーツタルト』も同様である。それは結局のところ、それらが中央線文化圏の空気を吸っているからなのだ。西武新宿線田無駅周辺が舞台とされる『あたしンち』の独特の野暮感と相通ずるのかもしれないが、この作品はより西が舞台なので、より野暮ったさの雰囲気が強烈であるという気がする。西武線に強い愛着をもつわたくしとしては、この野暮ったさをこそ擁護したいのであります。