宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2021年6月に読んだ本と近況

地獄へのカウントダウン了解ィ。

先月の。

2021年5月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬

 印象に残った本

  一冊選ぶなら『三体Ⅲ 死神永生』でしょう。人類はおろか、太陽系、いやいやこの宇宙そのものの破局まで駆け抜けてみせた、破格のSFだと思います。破局のビジョンの美しさといったらないです。

amberfeb.hatenablog.com

 

読んだ本のまとめ

2021年6月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2715ページ
ナイス数:73ナイス

https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly

 

 ■生き残った帝国ビザンティン (講談社現代新書)
 ビザンツ帝国1000年の歴史をコンパクトにたどる。通史かくあるべしという横綱相撲。帝国が危機に直面するごとにそのありようを変化させていったさまを、著名な皇帝のエピソードとからめて語る語り口はとにかくうまいです。大変おもしろく読みました。
読了日:06月03日 著者:井上 浩一
https://bookmeter.com/books/394154

 

 ■三体Ⅲ 死神永生 上
 終末決戦での大敗を経て、暗黒森林理論による抑止体制に至った人類文明と三体文明。しかしそれは仮初の休戦にすぎず、宇宙の暗黒は再び人類に牙を剥く。究極の危機を乗り切ったかにみえた人類が、再び破局と対峙する展開、その破格の大柄さ。四次元世界まで広がる作品世界を見事に統御する自信に満ち満ちた語りに圧倒され、あっという間に読みました。
読了日:06月06日 著者:劉 慈欣
https://bookmeter.com/books/17901127

 

 ■三体Ⅲ 死神永生 下
 ファーストコンタクトから始まった物語が、よもやここまでの地平にたどり着くとは。人類はおろか太陽系そのものの死さえ超えて、宇宙の熱的死まで描き切る、その恐るべき腕力。木星に広がるコロニーや、「紙切れ」によって滅びゆく太陽系の煌びやかというしかないビジョンに、暗黒の宇宙の究極の戦いまで構想してみせるセンス・オブ・ワンダーをこれでもかと詰め込んだ、ほとんど無限のスケール感を持つこの物語に触れられたことが、とにかくうれしい。お見事です。
読了日:06月07日 著者:劉 慈欣
https://bookmeter.com/books/17901126

 

 ■社会学への招待 (ちくま学芸文庫)
 訳者あとがきに、本書はある程度社会学の考え方に触れたあとに読むべき本なんじゃないかと書かれていて、それはほんとにそうやなと再読して思った次第。社会が人間をつくるというモーメント、社会的なものが人間の中にこそ制度を通して埋め込まれるというダイナミズムを論じるあたりがとりわけスリリングな読みどころではないでしょうか。
読了日:06月08日 著者:ピーター・L. バーガー
https://bookmeter.com/books/11964928

 

 ■名探偵の掟 (講談社文庫)
 本格推理小説中の「名探偵」を横から眺める「刑事」を語り手に、その不自然なドラマを演じなければならない自分自身を眺める自意識。フォーマットを手際よく整理してみせる自虐の手つきは洗練されているが、たぶん優れた小説はその程度の「ツッコミ」など折り込んでなおおもしろいのだろう。解説はさすがに贔屓の引き倒しでは?本人は結局松本清張の再生産みたいな小説で金稼いでるんだからさ…
読了日:06月13日 著者:東野 圭吾
https://bookmeter.com/books/577413

 

 ■戦後「社会科学」の思想: 丸山眞男から新保守主義まで (NHK BOOKS)
 戦後から現在までを、短い意味での戦後、大衆社会、ニューレフトの時代、新自由主義新保守主義の時代と4区分して、それぞれの時代に影響力をもった思想を取り上げて概説してゆく。丸山門下から大塚史学、同時代の海外の動向へも目配りが効いていて、学部生の頃座右にあったらずいぶん見通しがよくなっただろうと感じた。ニューレフトの時代までは構図もクリアでにゃるほどにゃんという感じであったが、終盤やや散漫な感じも。
読了日:06月13日 著者:森 政稔
https://bookmeter.com/books/15306566

 

 ■いつもそばには本があった。 (講談社選書メチエ)
 読書体験をめぐるエッセイを交互に打ち返しあう不思議な本。同世代の二人が、80年代後半から90年代の空気を人文書の思い出とともに語っていて、90年代もいよいよ遠くなりにけりと感じます。
読了日:06月16日 著者:國分 功一郎,互 盛央
https://bookmeter.com/books/13541332

 

 ■知の旅への誘い (岩波新書)
 坪内祐三によるレコメンドを唐突に思い出して手に取る。坪内の指摘通り、後半部の山口昌男執筆パートの異様な自在ぶりが楽しい!自身の旅の日記が現代思想の大立者たちのイントロダクションになってしまうことに驚くし、ギンズブルグ『チーズとうじ虫』は、ああ、まさしく山口昌男の「トリックスター」の見立てがばっちりハマるんだなと気付かされる。大変おもしろく読みました。
読了日:06月19日 著者:中村 雄二郎,山口 昌男
https://bookmeter.com/books/38453

 

 ■幻に終わった傑作映画たち 映画史を変えたかもしれない作品は、何故完成しなかったのか?
 企画されるも結局お蔵入りとなった映画についてまとめた本。流し読み。キューブリックの『ナポレオン』やらティム・バートンの『スーパーマン』などなど、そんなん企画されてたのだな〜とおもしろく読みました。
読了日:06月19日 著者:サイモン・ブラウンド
https://bookmeter.com/books/13278585


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近況

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nagさんに誘われて喋ったんですが、相当しどろもどろになっていたので今思い出しても冷や汗もの。聞き返す気力はないです...

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6月はマジで久しぶりに映画館いったなという気持ち。相も変わらずの状況に気がふさぎますが、なんとかやっていきましょう。