プライムビデオで『トゥモロー・ウォー』をみました。こういうブロックバスターみたいな規模感の映画が配信メインで公開されるんだから、すげえ時代ですね。以下、感想。
2022年、サッカーワールドカップ決勝の最中、時空の裂け目から武装集団があらわれる。未来人を名乗る彼らは、30年後の人類がエイリアンの襲来によって滅亡の危機に瀕していることを伝える。こうして、未来を舞台にした人類とエイリアンとの戦争が始まった。
『レゴバットマン ザ・ムービー』のクリス・マッケイ監督による、SFアクション映画。主演は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラット。
ホワイトスパイクとよばれるエイリアンの造形はよい塩梅の気色悪さで、研究所という閉鎖空間での遭遇に始まり、市街地での戦闘、洞窟での捕獲作戦、そして氷河での最終決戦とさまざまなシチュエーションでいかんなく魅力を発揮する。ほとんど民間人みたいな装備の現代人が無慈悲に殺戮される序盤のドライさはすばらしいし、最終決戦はああこのシチュエーションのために連中の色あいは白に設定したのか、という納得感があった。
序盤、未来にジャンプする前の顔見せで結末の段取りがおおよそ整えられていて、このあたりの話運びの巧みさは職人芸という感じ。進行する地球温暖化、火山好きの生徒、なにやら物騒な仕事をしているらしい父親...そのような未来での死闘のさなかでいい塩梅に忘却しているようなディティールをとんとん拍子で生かしてしまうのはそれだけで快が発生しますね。
親子の和解というのが全体をつらぬくモチーフにはなっていても、それはあくまで作劇に一本の芯を通すための背景以上のものではなく、相当ライトタッチで処理していくのもすばらしい。娯楽映画かくあるべしという快作だったと思います。
シチュエーション的にダグ・リーマン『オール・ユー・ニード・イズ・キル』なんかを想起(あるいはその着想元であろう『ガンパレードマーチ』)