『進撃の巨人 Season2』をみたので感想。
女型の巨人=アニ・レオンハートを倒し、捕縛に成功したエレンら調査兵団。そのころ、軟禁されていたエレンの同期たちの近辺に突如巨人が出現。対応を迫られる。襲い来る危機、そして浮かび上がる新たな裏切り者の正体。
諌山創による漫画のアニメ化。1期目が2013年放映だったが、この『Season2』は2017年と結構間が開いている。アニメ版の完結は2023年になるわけで、足掛け10年のプロジェクトだったわけだが、原作が恐るべき腕力で風呂敷を広げて物語を語り切って完結したいまとなっては、この『Season2』のあたりはどうしても「つなぎ」感があるというか、風呂敷がまだ全然広がり切っていない感もあるのだが、それでも十二分におもしろいのだからえらい。
アニメーション制作は1期に引き続きWIT STUDIO。監督は肥塚正史に交代し、1期の監督である荒木哲郎は総監督としてクレジットされている。4年のブランクを感じさせず、1期との継続性を感じるルックと、残虐さと爽快感とを感じさせるアクションは見事。冒頭の挿話からして、調査兵団のなかでもリヴァイに次ぐ実力者とされるミケ・ザカリアスが無残に殺害されるし、その後も躊躇なく名前のあるキャラクターが巨人の餌食になっていく展開は強烈な緊張感をもたらす。
立体機動装置を活かしたハイスピードのアクションの魅力も健在で、この『Season2』では装置の本領が発揮される市街地でのアクションシークエンスがないのが残念ではあったが、超大型巨人との戦闘や、ラストのエレン奪還をめぐる攻防戦など、かなり迫力のある演出がなされていて、制作陣の気合の入りようを強く感じた。
シリーズ構成は1期に続いて小林靖子。1期では原作の展開を踏襲しながらも、エレンの(自覚すらされない)初恋の終わりというモチーフを仄めかすという脚色がなされていたが、この『Season2』は1クールという尺もあってか、それほどオリジナリティのある脚色はなされていないように感じた(原作の記憶も薄れているので確かなことは言えないんだが…)。
しかし、鎧の巨人、超大型巨人という、エレンにとってはまさに憎むべき敵の正体が明かされ、その内心の苦悶が描かれる展開は、原作をすでに読んでいても十分スリリングで、おもしろくみた。続きもみていくつもりです。
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『進撃の巨人』、実写版→アニメ1期→原作という順で接しているので相当変な視聴歴ですね。