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闘争とドラマ────『劇場版 Gのレコンギスタ II ベルリ 撃進』感想

劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」 (特装限定版) [Blu-ray]

『劇場版 Gのレコンギスタ II ベルリ 撃進』をみたので感想。

 アメリアの海賊部隊と行動を共にするベルリ。G-セルフ奪取のため、キャピタル・アーミィたちが迫るが、そのなかにはかつての恩師、デレンセン・サマターの姿もあった。

 『ガンダム Gのレコンギスタ』の劇場版5部作の第2作目。公開は2020年。テレビシリーズにおける第6話から第11話まで、ベルリたち海賊部隊とキャピタル・アーミィとの攻防、そして軌道エレベーターの拠点占拠をもくろむアメリアの陰謀が描かれる。

 このあたり、ベルリの母であるウィルミット・ゼナムや、アイーダの父、グシオン・スルガンが戦場の最前線ともいえる海賊部隊の母艦、メガファウナを訪れたりして、各勢力内でも一枚岩でないことが明白になり、それぞれの意図が錯綜して展開が複雑になってくる。1作目『行け!コア・ファイター』ではまだ筋立てがシンプルだったが、この『ベルリ 撃進』でいよいよ『Gのレコンギスタ』らしくなってくる、という気がする。

 改めて総集編として見返すと、絶え間なくモビルスーツの戦闘があって、そのなかで各勢力の思惑が交錯し、また人間関係も展開されてゆくので、戦闘がただ新しいモビルスーツのお披露目で終わることがない。そのことが、全体として展開が圧縮されているようにみえる要因なのかも。それでいて、モビルスーツ同士の空中戦はそれぞれ見ごたえある見せ場になっているので、このあたりに富野由悠季の技巧を強く感じる次第。