春ですねえ。
先月の。
印象に残った本
一冊選ぶなら米澤穂信『冬期限定ボンボンショコラ事件』でしょう!アニメも楽しみにみています。
読んだ本のまとめ
2025年4月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2662ページ
ナイス数:103ナイス
https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly/2025/4
■地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか――元警察庁刑事局長 30年後の証言
地下鉄サリン事件発生当時の警察庁刑事局長であった垣見隆に、地下鉄サリン事件発生にいたるまでの捜査の経緯などを聞き取りまとめたもの。垣見はこれまで当事者としてはほぼ沈黙を貫いていたというが、当時は週刊誌などで名指しで人格攻撃のような批判を受けたり、警察大学校へ左遷されたりするなどした人物。わたくしは事件当時の記憶はないが、佐々淳行のルポなどで周辺情報を押さえてから読んだ方がよりおもしろかったかも。後半部に垣見のバイオグラフィーが簡潔に書かれているが、そちらを参照してからのほうが本文の理解も進む気がする。
読了日:04月01日 著者:垣見 隆,手塚 和彰,五十嵐 浩司,横手 拓治,吉田 伸八
https://bookmeter.com/books/22455848
■社会 (思考のフロンティア)
「社会 social」という語の成立と衰退を辿る思想史。日本社会党の盛衰について語る日本戦後政治史の点描みたいなパートはついていけるんですが、ソーシャルをめぐる思想史の縦横無尽ぶりには再読でも振り落とされます。しばしば言及される重要文献ではあるのだが相当いかついよ!
読了日:04月01日 著者:市野川 容孝
https://bookmeter.com/books/363400
■いちご同盟 (集英社文庫)
10年以上ぶりの再読だったが、記憶以上に余白の大きい小説で、ティーンエイジャーにとっては結構高級な部類に入る青春小説なのではなかろうか。原口統三への言及などはいま読むとかなり時代を感じる(当時はどうだったんだろう?)。平成初期、バブル崩壊前後の空気を吸った小説だと思うのだが、この息苦しさは現在にも通じるような気がする。しかし子どもが死ぬ話はいま読むと一層悲しく、こたえるわね。
読了日:04月02日 著者:三田 誠広
https://bookmeter.com/books/569535
■空気を描く美術: 小林七郎画集 (ジブリTHE ARTシリーズ)
2002年刊行。それぞれの作品の枚数は少ないが、『ガンバの冒険』、『天使のたまご』、「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』等々、小林の仕事を広く紹介している。『夢かける高原』とか『アテルイ』とか、そもそも存在を知らなかったです。出崎統や押井守、望月智充のインタビューも所収。『天使のたまご』で小林の貢献がいかに大きかったか証言されています。
読了日:04月03日 著者:小林 七郎
https://bookmeter.com/books/146396
■冬期限定ボンボンショコラ事件 (創元推理文庫)
ついに満を持しての小市民シリーズ長編完結編は、ひき逃げにあった小鳩が病院のベッドの上で過去の事件を回想していくという変化球。小佐内さんはなかなか姿を現しませんが、そのキュートぶりに脱帽です。ブログに感想を書きました。
読了日:04月09日 著者:米澤 穂信
https://bookmeter.com/books/21854331
■「モディ化」するインド―大国幻想が生み出した権威主義 (中公選書 151)
「世界最大の民主主義国」を自認するインドが、ナレンドラ・モディ政権下で一気に権威主義体制化がすすみ、ヒンドゥー至上主義の高まりを背景としたイスラム教徒への抑圧やメディアの統制などを行なっていることを論じる。インドの政治について十分な関心を持ってこなかったので、本書に教えられたことは多かった。ブログに感想を書いた。
読了日:04月09日 著者:湊 一樹
https://bookmeter.com/books/21923806
■ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義
2023年のイスラエルによるガザ地区空爆を受けて開かれた2回の講義を収める。イスラエルによるパレスチナ人への抑圧、殺戮は、近年始まったものではない(常に「最悪」が更新され続けているにせよ)にもかかわらず、我々がそれを見ないできたという恥。そうした自責の念に貫かれ、忘却に抗してなんとか言葉を我々に届けようとする著者の情念が滲む、短いながらも迫力ある本です。
読了日:04月15日 著者:岡 真理
https://bookmeter.com/books/21716107
■相模原障害者殺傷事件 ―優生思想とヘイトクライム―
相模原障害者殺傷事件発生からまもなく書かれた立岩、杉田の論考と、それを受けての両者の対談を収める。自身の子育ての経験から、内なる優生思想と向き合うことを書いた杉田論考が強く印象に残る。杉田による立岩評、理論的にはラディカリズム、実践的にはリベラリズムという二つの顔というのはなるほど納得感あり。
読了日:04月15日 著者:立岩真也,杉田俊介
https://bookmeter.com/books/11255387
■記憶/物語 (思考のフロンティア)
主体的に想起するものとしての記憶ではなく、不随意に襲ってくるものとしての記憶。また言葉では語り尽くすことの決してできない<出来事>に対して、わたしたちはどのように関係を結びうるのか。そうした主題をめぐって書かれた短い文章。この「思考のフロンティア」シリーズの中でも出色の、いまだアクチュアリティを失っていないテクストだと思います。
読了日:04月24日 著者:岡 真理
https://bookmeter.com/books/569820
■日吉アカデミア一九七六
政治学者にして「鉄学」徒の著者が、慶應義塾普通部時代を回顧する、『滝山コミューン1974』の続編。中学時代に取り組んだ鉄道研究が研究者人生のスタートのように位置付けられているが、いやはや早熟ぶりに恐れ入ります。ブログに感想を書きました。
読了日:04月25日 著者:原 武史
https://bookmeter.com/books/22533936
■おむつのなか、みせてみせて!
子の2歳の誕生日プレゼントにもらった本。衝撃のラストに驚愕!子はいろんな動物さんたちのおむつのなかを楽しく確認しています。
読了日:04月27日 著者:ヒド・ファン・ヘネヒテン
https://bookmeter.com/books/13042348
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