『ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow』をみたので感想。
ラブライブで優勝を果たし、統廃合の前に浦の星女学院の名前を歴史に刻んだ高海千歌たちAqours。3年生が卒業したあとも、残った6人で活動を続けていくつもりだったが、統合先の高校からは浦の星女学院に対して思わぬ風当たりがあり…。一方、卒業旅行に行った3年生3人も行方知れずになり、鞠莉の母から捜索を依頼され、Aqoursはイタリアへ飛ぶ!
メディアミックスプロジェクト『ラブライブ!サンシャイン!! 』のアニメ完結編ともいうべき映画化。公開は2019年始。テレビシリーズ2期が、無印『ラブライブ!』との差異化を明確に意識していたのと同様、この映画版も無印『ラブライブ!』の劇場版と (重なるところはありつつも)はっきり異なるドラマを用意しており、誠実な工夫に好感ももってみた。
最も大きな違いは、テレビシリーズおよび劇場版を経て、3年生の引退により解散と決めたμ'sに対して、Aqoursは残ったメンバーで活動を続けていくことを選んでいる点。Aqoursを支えた屋台骨ともいえる3人がいなくなった後、どのように活動を続けていくか、どのようなグループとして存続していくか、その答えを劇場版を通して探求していくことになるのだが、そのことが劇場版に一本の芯を通していた。
これは、テレビシリーズですでにドラマを語り切った感のあった無印の劇場版が、テレビシリーズの再話というか、悪く言えば蛇足感のあったことを想起すれば、『サンシャイン‼』劇場版の大きな美点だと思う。
海外を舞台にしたり、時折ミュージカル風の演出で楽曲に入ったりする演出は無印劇場版と重なるところだが、冒頭、沼津の各所を舞台にAqoursと浦の星の生徒たちが歌い踊るシークエンスの多幸感はかなりよくて、『ラ・ラ・ランド』オマージュっぽさもありつつ、沼津という土地と歩んできた『ラブライブ!サンシャイン!! 』を象徴する時間だったと思う。