
『バレリーナ:The World of John Wick』をみたので感想。なにげに『ジョン・ウィック』シリーズを劇場でみるのはじめてなのであった。
謎めいた男たちに父親を殺され、天涯孤独の身となった少女、イヴ。奇妙な縁からバレエ団を隠れ蓑とする暗殺者集団に拾われ、訓練を受けた彼女は、殺し屋として日々を送りつつ、復讐の機会を狙っていた。
キアヌ・リーブス復活のターニングポイントとなった『ジョン・ウィック』シリーズのスピンオフは、アナ・デ・アルマスを主演に据えた、最強の女暗殺者の成長譚。ジョン・ウィック本人も登場してわたくしたちにサービスしてくれるし、ホテルのコンシェルジュとして故ランス・レディックまで顔をみせるので驚いた。結構前から撮影していたのかしら。監督は『アンダーワールド』シリーズや『ダイ・ハード4』のレン・ワイズマン。
いうまでもなくこの映画の魅力はアクションにあって、屈強な男たちが命を削りあう本編に対して、腕っぷしでは男にかなわないイヴがさまざまな手練手管で敵対する殺し屋の男たちを葬っていくのが見もの。手榴弾で人体を容赦なく破壊する演出は、本編でもこのレベルのゴア表現なかった気がする。それほどグロテスクにならない見せ方はしているけれど。特に印象的なのは火炎放射器をつかって殺し屋どもを次々殺害していくシークエンスで、銃のように「点」ではなくて「面」で制圧していくのでゲームのボーナスステージのような爽快感があった。後半のカルト教団の村での戦闘シークエンスが特にそうなんだが、この容赦ない殺害ぶりは『ザ・レイド』に匹敵すると思う。
お話としてはシンプルな復讐譚で、『ジョン・ウィック』本編が最初からレベルマックスの男を主人公にしているのに対して、『バレリーナ』は最初は際立って強いというわけではなくて、だんだんと殺し屋として洗練されてくるあたりが差分としてあるなと思う。いい意味でふつうのアクション映画っぽい。
とにかく、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』で唯一のエキサイティングなシーンを担ったといってもいいアナ・デ・アルマスが、主演としてこういう輝きをみせてくれるの、ほんとうにうれしいのであった。
