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普遍の前衛────『大長編タローマン 万博大爆発』感想

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 『大長編タローマン 万博大爆発』をみたので感想。

 奇怪な様態をもった巨大生物、奇獣がときたま現れる世界。芸術の巨人、タローマンがきまぐれに奇獣を成敗することで、なんとか世界の秩序は保たれているようだった。時は1970年、大阪万博が開催される中、縄文土器を彷彿とさせる奇獣が万博会場を襲撃する。未来人によれば、その奇獣は未来の万博をなかったことにするため、昭和100年の世界から送り込まれたものだという。地球防衛軍(CBG)はさっそく未来に向けて出発することを計画し、またタローマンを未来に誘導しようとする。たどり着いた未来世界は、常識が世界を覆う秩序の極北。でたらめの権化たる巨人タローマンは、未来世界に何を思う。

 1970年代に放送された巨大ヒーロー物の特撮作品という体裁で2022年に放映された、モキュメンタリー的テレビドラマの映画化。もともとテレビ版は1話5分という尺なので岡本太郎の作品と名言をもとにした一発芸のようなところがあったのだが、この『大長編』には意外なほど「ちゃんとした」お話があり、それにテレビシリーズから続く岡本太郎をサンプリングした「でたらめ」が大爆発していて、ちょっと似た映画はないんじゃないかという手触りの作品になっている。

 ドラマ部分は、1970年に生きるCBG隊員たちが、ユートピア的装いのディストピアたる昭和100年世界で冒険を繰り広げる、ありきたりな未来SF的な舞台設定があって、そのありきたりな感じがストレートなので存分にタローマン的でたらめが開花できるという構図になっている。

 秩序と混沌の弁証法的世界観はこれまた手垢がついたものだが、そこに岡本太郎の思想が添えられると一気に体重がかかるという気がする。ラスボス?をつとめる「明日の神話」や、「地底の太陽」などなど、著名な岡本太郎作品が場面をにぎわし、岡本太郎入門としてもゴージャスでけっこうちゃんとしているのがえらい。これが普遍の前衛だよ、と我々に教えてくれるようなところがある。