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楽しい街、楽しい人々────『CITY THE ANIMATION』感想

CITY THE ANIMATION Blu-ray1巻(特典なし) [Blu-ray]

 『CITY THE ANIMATION』をみたので感想。

 シティ市。そこにはさまざまな人が住み、それぞれ楽しげに日々を送っているのだった。

 あらゐけいいちによる漫画『CITY』を京都アニメーションがアニメ化。あらゐと京都アニメーションのタッグは『日常』以来だが、藤子不二雄風味の素朴でキュートなキャラクターたちがコミカルに動き回る魅力は同作と相似形。キャラクターと背景の質感が親近性があり、それは背景たるCITYもキャラクター同様このアニメの主役なのだと語っているようにも思えるが、このルックがこのアニメのユニークな特徴でもある。

 南雲美鳥、にーくら、泉わこの女子大学生3人組を中心に、そのほかシティに住むさまざまな人びと(や動物)に次々フォーカスしながら進行するショートコメディの連作のようなつくりだが、わたくしはあらゐけいいちの笑いのセンスにいまいちシンクロできない感じがあり、みていて腹がよじれるほど笑ったりとか、そういうことがあるわけではない。

 しかしキュートなキャラクターが織りなす時にシュールで不条理な出来事の連なりを眺めているのは、なぜか素朴に楽しい。それはシティに生きるキャラクターたちが確かに「楽しんでいる」ことが伝わるからなのだと思うが、そうした楽しんでいるキャラクターをみていることが楽しい、という、結構不思議な味のするアニメで、それがこのアニメの独特のよさになっていると思う。

 京都アニメーションの仕事はそうした「楽しさ」をさまざまな手練手管で見事に演出していて、時間が進行するにしたがってどんどん画面が分割され、そして最終的にシティの住民たちが大勢集まって大団円を迎える5話はこのテレビシリーズの白眉といっていいだろう。

 とはいえそうした演出の強烈さが、決して押しつけがましくないところがまたこのアニメの魅力でもある。 『日常』は(わたくしのおぼろげな記憶では)結構ちゃんと笑わせようとしてくるアニメで、それがみていて必ずしも快くはなかったのだが、この『CITY THE ANIMATION』はそうした力みがなくて、この住民たちは確かに楽しんでいるんだよ、という風なソフトさでわたくしたちに語りかけてくるような調子がある気がして、そのリラックス具合が非常に快かった。

 わたくしたちからまったく自立して、彼女ら・彼ら自身が楽しんでいること。そのことが、なんというか救いになる気がするのだ。2019年の悲劇を経てなお、アニメには楽しさがあると確信できる作品を京都アニメーションが送り出してくれたこと。シティという理想の小世界を、13話にぎゅっと詰め込んで、わたくしたちに送り届けてくれたことが、とてもありがたく感じる。

 

 2020年代京都アニメーションの仕事して、『響け!ユーフォニアム3』に並ぶ快作だったことに疑いはないでしょう!

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