宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まれていることがあります。

2025年12月に読んだ本と近況

ようやく日常に慣れてきました。

先月の。

2025年11月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬

印象に残った本

 1冊選ぶなら山本周五郎『樅ノ木は残った』。骨のある、見事な小説でした。

読んだ本のまとめ

2025年12月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3029ページ
ナイス数:106ナイス

https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly/2025/12

 

■樅ノ木は残った(上) (新潮文庫)
 江戸時代、分家の立場から幕府の重臣と組んで仙台藩の乗っ取りを企む陰謀に、穏やかで内心をみせぬ仙台藩の名家の男が立ち向かう。大河ドラマの原作にもなった歴史小説ということは知ってはいたが、策謀と内通者の入り乱れる様はさながらジョン・ル・カレのスパイ小説もかくやといった感じで、想像していたよりはるかにスリリングでおもしろい。主人公の原田甲斐宗輔の胸中はまだ明かされないが、穏やかで誰にも好かれるパーソナリティは、読者にとってもある種のロールモデルだったのかもしれないと思いながら読む。
読了日:12月02日 著者:山本 周五郎
https://bookmeter.com/books/535536

 

コンスタンティノープル千年: 革命劇場 (岩波新書 黄版 304)
 1000年続いたビザンツ帝国、その皇帝の権力のありようを探る。皇帝といえど、元老院、軍隊、市民の三者からの承認を得てはじめて権威が認められる不安定な立場だったことを、さまざまな史料を引いて縦横無尽に論じていく手つきの自在ぶりに大いに楽しむ。さいきんの新書にはあまりない、語りの自由さを味わいました。
読了日:12月04日 著者:渡辺 金一
https://bookmeter.com/books/5187786

 

■あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8)
 児童館で子どもと読む。初版1976年で、2018年時点で69刷。アンパンマンの頭身が高くて、これで顔を分け与えると結構インパクトがある。葉巻を燻らすジャムおじさんの姿に時代を感じます。この時点ではネームドのキャラはアンパンマンジャムおじさんだけなんですね。
読了日:12月06日 著者:やなせ たかし
https://bookmeter.com/books/451235

 

それいけ!アンパンマン (フレーベルのえほん 9)
 児童館で子どもと読む。頭身が下がって馴染みのある雰囲気になり、名前の表記もカタカナになってキャラクター造形が固まりつつあるのを感じる。筋立ては至ってシンプル、アンパンマンが顔を食われる。裏表紙のウィンクしてるアンパンマンが伊達男でイカす。
読了日:12月06日 著者:やなせ たかし
https://bookmeter.com/books/215631

 

■樅ノ木は残った(中) (新潮文庫)
 上巻から一転、山で因縁の大鹿を追う原田甲斐の描写がはじまり驚くが、中巻でも緊張続く策謀が渦巻く展開となり、読ませる。特におみやと新八に代表されるような、弱い人間が抱える業のようなものが強烈に印象づけられる。骨のある小説です。
読了日:12月10日 著者:山本 周五郎
https://bookmeter.com/books/535537

 

■まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書
 人文系の論文執筆のための解説本。論文の構造から求められているものまで、演習含めかなりプラクティカルに書かれている。論文を論文たらしめるのはよく言われるような「問い」ではなく「アーギュメント(主張)」なのだというのが一番センセーショナルな主張だろうか。語り口が自信に満ちていて結構心地よく、ある種の自己啓発本としておもしろく読みました。
読了日:12月11日 著者:阿部幸大
https://bookmeter.com/books/22032756

 

ユダヤ人の歴史-古代の興亡から離散、ホロコーストシオニズムまで (中公新書 2839)
 古代から現代まで、ユダヤ人の歴史を辿った概説書。「組み合わせ」をキーワードとしていて、歴史のなかでマジョリティ集団のなかのニッチを埋めるような形で、ユダヤ人とよばれる人々がそのありようを変化させながらアイデンティティを保ってきたさまを跡付ける。高校レベルの世界史に目配せしていて、素人にも読みやすいのが有り難く、おもしろく読みました。
読了日:12月11日 著者:鶴見 太郎
https://bookmeter.com/books/22378675

 

イラク水滸伝
 冒険家である著者が2010年代後半からイラクの湿地帯を取材したルポルタージュ。コロナ禍による困難も書き込まれていて、いま読み返すと当時の状況が思い出される。水滸伝とは言い得て妙で、中央権力の手が必ずしも行き届かない場所で独自のエコノミーを築いている人たちの強靭な生き方が強く印象に残った。
読了日:12月11日 著者:高野 秀行
https://bookmeter.com/books/21410884

 

■樅ノ木は残った(下) (新潮文庫)
 一ノ関の陰謀と、その背後にある幕府のおそるべき意図を察した原田甲斐。運命の日に訪れる、あまりにも凄惨な決着。苦痛な生にあってそれでも使命を果たすことを選んだものたち。それがまさに、この小説の描いた徳でしょう。ブログに感想を書いた。

読了日:12月17日 著者:山本 周五郎
https://bookmeter.com/books/535538

 

■生活史の方法 ――人生を聞いて書く (ちくま新書 1884)
 2010年代以降の社会学のある潮流をリードしてきた著者による、生活史という実践のイントロダクション。『街の人生』や『東京の生活史』のつくられかたを教えてもらえるといった趣もあり、おもしろく読んだ。ブログに感想を書いた。

 読了日:12月17日 著者:岸 政彦
https://bookmeter.com/books/22946503

近況

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