『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)~ネクストシャイン!~』をみたので感想。
高校進学を機に心機一転、これまでの内気な自分から脱却しようと試みていた甘織れな子は、ひょんなことから芸能人にして学校の王子様のごとき存在の王塚真唯に熱烈なアプローチを受けるようになっていた。さらに、気の置けない友人だった瀬名紫陽花からも告白され、れな子の迷いはさらに深まるのだった。
TVアニメ『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』の続編というか、13話から17話を編集し劇場公開したもの。現在、動画配信サービスでは13話から17話が分割で配信されており、映画作品としての『ネクストシャイン!』そのものを視聴することはできない。わたくしが視聴したのも分割版なので『ネクストシャイン!』そのものではないのだが、便宜上、13話から17話を同映画とみなして感想を記す。
さて、テレビシリーズで瀬名紫陽花から告白されて映画に続く、という構成だったが、この『ネクストシャイン!』では三角関係的な構図が全面に展開されるというわけではなく、王塚真唯を中心とする5人組グループのなかでこれまでそれほどスポットがあたってこなかった小柳香穂がフォーカスされ、彼女に誘われるかたちでれな子がコスプレに取り組んだりする。
香穂が実はれな子の小学校時代の友人だったが、雰囲気のギャップと名字が変わっていたことで気づかなかった…という展開は、(作中でも突っ込まれてはいたが)れな子さん、もっと早くに気付いてやれよ…と思わずにはいられず、キャラクターを立たせるためのご都合主義を感じないこともなかったが、内気な性格なのに「コスプレ」で明るくふるまっている、というキャラクター造形はおもしろみを感じた。
コスプレにかかわるディテールは『その着せ替え人形は恋をする』のようにコスプレそのものを主題とした作品と比べるとさすがに踏み込みが甘いが(それは当然そうだろう)、終盤、コスプレイベントに主要キャラクター5人組がそろい踏みし、三角関係の決着まで一気になだれ込む構成はスマートだった。
ひとまずポリアモリー的な結論を出すラストは、これが異性愛もの(というか男性を主役にしたラブコメないしハーレムもの)であったならなんとなく倫理的なやばさを感じて許容できないものだったと思うが、それを「あり」だと思わせてしまうところに、百合というジャンルがそもそも異性愛規範を相対化し撹乱する機能をもっていたのだと強く感じた。大胆な結論を大仰でなく示すこの風格、お見事でした。
関連

