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友人の信頼────『なぜ君は総理大臣になれないのか』感想

なぜ君は総理大臣になれないのか [DVD]

 Youtubeで無料公開されていたので『なぜ君は総理大臣になれないのか』をみたので感想。

 先日の代表選で、中道改革連合の代表に就任した小川淳也。彼が政治家を志してから2020年までのおよそ20年間を取材したドキュメンタリー。監督は大島渚の息子でドキュメンタリー作家としてキャリアを重ねてきた大島新。

 小川がはじめて衆議院議員選挙に出馬したのは、小泉純一郎による郵政選挙の2003年。その後、民主党政権の時代を経て下野、民進党希望の党、そして無所属と、政局のなかで翻弄されながらもがく様子がカメラに切り取られている。

 特にクローズアップされるのは、民進党希望の党の合流をめぐるゴタゴタによって混乱のさなかにあった2017年の衆議院議員総選挙。もう10年近く経ってはいるが、そのころのことをわたくし自身ほとんど実感として記憶していないので驚く。自分のTwitterのログを見返すと、このころは(いまとちがって)Twitter上で政治の話をするのを明白に避けていたような感じもあり、その意味でもいまはフェイズが大きく変わってしまったなと思う。

 この映画のハイライトは、その選挙の際に応援にきた慶応義塾大学教授、井手英策の演説。支援者ではなく一友人として、その苦闘を語りおこし叱咤激励するこの演説に、小川と家族は涙をにじませるのだが、こういうふうに応援に駆けつけてくれる友人をもつ人間は、なにか信頼するのに足りるのではないか、と強く思わされてしまうようなところがある。それはあんまりよくないことだとも思うのだが…。

 ほか、安倍晋三幇間のごときジャーナリスト、田崎史郎と小川が(大島の仲立ちで)接触をもち、悪い関係でもなさそうなのが意外だった。田崎との会話のなかで小川が語る、安倍晋三が極右の支持を調達しつつ、その台頭をむしろ抑えている(これが岸田がトップだったらこうはいかないのでは)というのは、およそ10年後の現在を予言しているようで驚いた。

 とにかく、高市自民党による改憲という危機がリアリティをもってせまるいま、中道改革連合にはそれを阻止する防波堤として役目をはたしてもらわないと困るという強い気持ちがあり、しばらくは大きな向かい風のなかでの戦いを強いられると思いますが、小川淳也にはなんとか期待を託したいところです。

 


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