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善なる愛国者────『パトリオット』感想

パトリオット (字幕版)

 『パトリオット』をみたので感想。

 1776年、北アメリカ大陸。同大陸の植民地が次々と大英帝国からの独立を宣言し、植民地の連合たる大陸軍と英国軍とが戦火を交えていた。フレンチ・インディアン戦争の英雄、ベンジャミン・マーティン(メル・ギブソン)は戦争には反対していたが、息子のガブリエル(ヒース・レジャー)は大陸軍に身を投じ、旧友たちのあいだでも独立の機運は高まっていた。そんな折、ウィリアム・タヴィントン大佐(ジェイソン・アイザックス)率いる英国軍はベンジャミンの居宅のそばまで迫り、タヴィントンは次男を殺害、傷ついたガブリエルも処刑するため連れ去ってしまう。それがベンジャミンの戦士の魂を呼び起こすことになる。

 2000年公開、ローランド・エメリッヒ監督による歴史アクション映画。(大陸軍にはならず者くずれのような連中はいるものの)主人公は復讐に燃える清廉潔白な男、対する英国側の代表的人物であるタヴィントン大佐は邪悪の極みのようなやつで、清々しいまでの勧善懲悪ものである。わたくしがみたきっかけは、チャック・ノリス死去からの追悼のため『エクスペンダブルズ』を視聴、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』でメル・ギブソンの顔を久しぶりにみたので…という経路だったのだが、ドラマの単純ぶりは『エクスペンダブルズ』といい勝負である。

 このあたりの衒いのなさというか、登場人物たちの陰影のなさは歴史ものとしてみた時にやはり軽薄にうつり、だからローランド・エメリッヒがその後災害パニック系の大作映画を撮るようになったのは結構自分の資質をよく理解しているのだなと思わせる。歴史ものではネガティブな効果を生む善と悪との単純な構図は、災害パニックものであればポジティブに機能しうる。

 アクション映画としては、まだそれほどCGが普及していない時代の画作りがよい味を出していて、クライマックスの集団戦闘などおそらくエキストラを多数動員して撮られていると思われるが、やはり生身の人間からしか生じないアウラみたいなものはあるなと思わされる。

 一方で、同年公開のリドリー・スコット監督による歴史大作『グラディエーター』と比べるとアクション自体の新味には乏しく、公開当時の2000年でも80年代とか90年代っぽさを感じたのではないか、という気がする。というか『グラディエーター』はソード&サンダル映画とか揶揄されていたようだが、この『パトリオット』と比べたら(史実への忠実度で比較しているわけではないが)圧倒的に風格あるじゃん!

 

 

パトリオット (字幕版)

パトリオット (字幕版)

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