『呪術廻戦 死滅回遊 前編』をみたので感想。
渋谷事変後、最強の呪術師、五条悟は封印され、東京都心は呪霊の徘徊する魔都と化した。宿儺に身体を乗っ取られ結果的に無数の無辜の人びとを殺戮した虎杖悠仁は、事変のなかで奇妙な縁をもった脹相とともに、東京で呪霊を刈っていたが、呪術界上層部の意を受けた五条の教え子にして天才呪術師、乙骨憂太が刺客として放たれる。一方、渋谷事変の主犯、羂索は、日本列島各地に結界によって閉鎖されたコロニーを生成。過去の呪術師を受肉させ、呪力に覚醒した一般人らと殺し合わせる「死滅回遊」を仕組んでいた。
芥見下々による同名漫画のアニメ化、第3期。監督は2期に引き続き御所園翔太。御所園は第55話を除くすべてのエピソードで絵コンテにもクレジットされており、各エピソードで演出家の個性が強烈に光った2期の「渋谷事変」と比べると、一定したトーンでクオリティコントロールがされている印象を受ける。それが極めて高いレベルでなされていることには舌を巻くばかりである。ほか、メインスタッフとして2期までキャラクターデザインを担っていた平松禎史の名前がなくなっていて、矢島陽介、丹羽弘美が代わってクレジットされている。
いうまでもなく見所はアクションにあるわけだが、2期から引き続き、現代の異能アクションバトルの最高峰といっていい気合の入りぶり。冒頭の虎杖対乙骨にはじまり、禪院家での殺戮を描く「葦を啣む」を経て、後半は虎杖対日車、伏黒対レジィ・スター、仙台結界での乙骨対歴戦の呪術師・呪霊たちと、見せ場の絶え間ないつるべ打ちに唸る。とりわけ伏黒対レジィは、伏黒にとって事実上の最後のバトルということ(を原作が完結したいまは私たちもスタッフも了解している)もあってか、異能バトルの外連味が存分に演出された好勝負。
そうしたアクション的な見せ場はもとより、それをつなぐインターバル的な場面もサービスが豊富でうれしかった。虎杖と秤金次のファーストコンタクトをワンカット固定カメラで映したり、日車寛見の過去はロトスコープをおそらく用いてリアリスティックな質感で演出したり、芸が豊富。
最先端の異能たちを、最先端の技術で描き出す、見事な仕事ぶりだったのではないでしょうか。
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