なぜか『おねがい☆ティーチャー』をみていました。以下感想。
高校に通う男子、草薙桂は、ストレスによって昏睡状態に陥る謎の病、「停滞」によって3年間昏睡状態にあり、周囲の友人は親しく接してくれるものの、どこか壁を感じてもいた。そんなおり、街でUFO騒ぎがおこり、学校には新任の教師、風見みずほが赴任してくる。桂はみずほの正体が宇宙人であることを偶然知ってしまい、そのことを隠してみずほの身分を守るため、なんと結婚することに…。
2002年にWOWOWのノンスクランブル枠で放映されたオリジナルアニメ。監督は井出安軌、脚本は『スクライド』の黒田洋介。キャラクター原案は羽音たらく、キャラクターデザインは『アマガミSS』、『やがて君になる』の合田浩章。放映から20年以上を経てさすがに歴史を感じるルックになっているが、羽音と合田の仕事は現代にも通じる美少女感を演出している。ヒロインのみずほを演じるのは井上喜久子で、これも歴史を感じさせる。
惹かれあう教師と生徒を描いたラブコメディで、そこにSF要素として宇宙人設定と、「停滞」という病がインサートされる。これが、一見して倫理的に危険な恋愛関係についてエクスキューズとして機能していて、15歳のようにみえる草薙桂くんは実は18歳なので婚姻関係を結んでドラマを無理やり推進させることができるようになっている。
桂に惹かれているが恋敗れるいわゆる負けヒロインである縁川小石には川澄綾子、その友人の水澄楓には大原さやか、秘密を秘めたクールなクラス委員の森野苺には田村ゆかりと、脇を固めるキャストも豪華。男性教師役で杉田智和がクレジットされているが、それほど目立つ仕事ぶりではない。この教師が教え子に手を出し始めるので結構ビビるのだが…。
脚本の黒田洋介、キャラクター原案の羽音たらくは、のちに『おねがい』シリーズの流れを汲む『あの夏で待ってる』でふたたびタッグを組むが、同作は監督に長井龍雪、キャラクターデザインは田中将賀と、ポスト『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が強い。この差分にゼロ年代初頭と2010年代の切断線をみることができる、気がする。
