宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まれていることがあります。

素朴な日々へのノスタルジー────『日々は過ぎれど飯うまし』感想

日々は過ぎれど飯うまし 6(完全生産限定版) [Blu-ray]

 Netflixで配信が終わるというのでその前にと思い、『日々は過ぎれど飯うまし』をみたので感想。

 東京の片隅にある女子大に通う引っ込み思案な1年生、河合まこは、偶然にも同じ大学に通っていた幼馴染の小川しのんと再会する。友人たちと「食文化研究部」を立ち上げようとしているしのん。人一倍食に興味のあるまこは、意を決して入部を決め、部員がそろったことで食文化研究部も正式なサークルとして大学に認められる。しかし、しのんはサークル活動をやる気はなく、大学での憩いの場を確保しようとするダミーサークルとして部活を立ち上げたのだった。その意図を職員にも見透かされ活動をするよう迫られる食文化研究部だったが、そこでまこは料理の腕を振るったり振るわなかったりするのであった。

 P.A.WORKS制作によるオリジナルアニメ。監督は『のんのんびより』の川面真也と春水融。キャラクター&ストーリー原案・漫画ネーム制作として『のんのんびより』のあっとがクレジットされていて、コミカライズは『恋する小惑星』のQuro。コミカライズの掲載紙はちがうが、どことなく『まんがタイムきらら』的な雰囲気を感じさせる。

 満田一によるキャラクターデザインはどことなく幼さを感じさせ、あまり大学生っぽくはない気がする(いま放映中の『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』は結構「大学生っぽい」ルックの構築に成功している、気がする)が、適度に記号的かつ、5人のメインキャラクターそれぞれ個性を感じさせてよい。背景はかっちりしているが、空の色が彩度高めな印象で、同じくP.A.WORKS制作の劇場アニメ『駒田蒸留所へようこそ』がわたせせいぞう風味の空だったことと連続性を感じた。

 そうしたウェルメイドにキュートなルックで展開されるのは、サークル活動を中心とした大学生活で、おこるイベントもちょっとした高尾山への小旅行だったり、免許を取ったばかりの友人の車に乗ったり、サークルの合宿をしたり…と、ささやかでありふれたものである。このささやかさの塩梅が結構心地よく、ありふれた大学生活がこういう風にアニメになっている作品って案外ないのかも、と感じた。

 キャラクターも、星ななの人見知りはコミカルに強調されすぎとは感じたが、しのんのいかにも大学生っぽい適当さの手触りは絶妙にリアリティを持っているし、全体として過度にエキセントリックな性格付けに頼らないバランス感覚に好感をもった。東京都立大学を中心とした東京西部のロケーションも、(わたくしの住んでいたあたりからは結構離れているものの)同じく東京郊外で大学生活を送ったわたくしは親近感がわいてくる! わたくしにとって大学生活はノスタルジーの対象となって久しいが、まこたち食文化研究会の面々の日常は、その素朴さゆえにある種の郷愁を喚起するもので、それがこのアニメの何よりの美点だと思う。

 

 

amberfeb.hatenablog.com

 比嘉つつじさんはちょっと『mono』の敷島桜子さんみを感じたのだった。全体のゆるさが『mono』とか『ゆるキャン△』とかのあfろっぽさを感じたかも。

amberfeb.hatenablog.com