『トランスフォーマー/ロストエイジ』(Transformers: Age of Extinction)を3D・吹き替え版でみました。まさにジャンクフードって感じで、頭を空にして3時間愉快に過ごせました。『ゴジラ』を見たときも思ったんですが、僕はやっぱり車が大爆発したり街がぶっ壊れたりするのを見るのが大好きです。というわけで『ロストエイジ』も楽しかった。以下で簡単に感想を。
徹底的な「こまけえことはいいんだよ!」精神がヤバイ
僕はこのシリーズをきちんと見た記憶がなくて、以前にテレビで放映されたのを横目でだらだら見ていたぐらいの気がします。オプティマス・プライムが善玉で、メガトロンが悪玉で、ぐらいの知識しかなかった。その程度の前提知識でも楽しめた、というかそもそもそれぐらいのことは劇中でも説明されるor見てればわかるので、全くの初見でも楽しめるようなつくりになって親切だなあと思いましたね。
そんなシリーズ未視聴者へのフォローアップは結構丁寧なのにも関わらず、登場人物の造形とか、行動原理とかがすげー「こまけえことはいいんだよ!ロボットが暴れて爆発すればいいんだよ!」という製作者の声が聞こえてくるぐらい雑なのは結構驚きました。そのギャップに。
マーク・ウォルバーグ演じる主人公ケイド・イェーガーは、「過保護な父親」という人間類型にしても果てしなくウザいとしか思えないし、その上行動があまりにも浅はかだし。不動産屋に立ち退きを迫られた時の振る舞いは主人公のそれとは思えない。その娘テッサ・イェーガー( 演ニコラ・ペルツ)はその頭イカレ気味の父親と案外中が良かったりして。なんなんだこの親子は。そういえばテッサの吹き替えは中川祥子さんらしいんですが、全然気付かなかったです。そのぐらい「普通に」吹き替え声優してた。
そういう人間類型はまあ、とりあえず置いておくとしても、人間に仲間がせん滅されていってるというのに、なんだかしょーもない仲たがいをしてるオートボットはなんなんだ。『フューチャー・アンド・パスト』のX-MENを見習えって話ですよ。
あと、スティーブ・ジョブズのパロディキャラっぽいジョシュア・ジョイスは相当なことをやらかしてるくせに、最終的に仲間面してるのが最高に面白かったんですが、いいのか、あれは。
なんだか思い返せば文句ばっかり思い浮かぶんですけど、いや見てる最中は結構面白くて、なんだかんだで楽しかったんですよ。ジョブズが絡むしょーもないギャグシーンとか、主人公による執拗な娘の恋人イジリとか、「正直もういいだろ...」と閉口するシーンはたくさんあったんですけど、そういうしょーもない息抜きがないと3時間はきついのものがある気がするし、まあ、いいんじゃないかなって感じですね。
人間の肉体が頑丈すぎる
そんな『ロストエイジ』なんですが、一番印象に残ってるのは正直トランスフォーマーたちのアクションよりも、マーク・ウォルバーグ演じる主人公はじめ、人間の体が頑丈すぎること。『渇き』並みに頑丈。『渇き』はまだ人間相手ですけどね、こっちは巨大ロボの攻撃にも全然耐えますからね。
トランスフォーマーが戦う中主人公たちが逃げ惑ったりとか、人間とトランスフォーマーが絡むシーンが多い印象を受けたんですが、そのたび人間もふっ飛ばされたりなんなりするわけですよ。でも無傷。高所から落ちても無傷。爆発を至近距離で受けても無傷。『ハート・ロッカー』だったら死んでる。
で、マーク・ウォルバーグさんなんか生身でトランスフォーマーと渡り合いますからね。強すぎる。もうオートボットとか帰ってもらって、お前が地球守れって。本当に最強ですよ。発明家という設定ですが、どう考えても『ローン・サバイバー』からそのまま抜け出してきた感じで。
『ローン・サバイバー』 ネイビー・シールズ孤立無援 - 宇宙、日本、練馬
もう行動力からいって半端じゃない。ゆうに高さ200メートルはあろうかというう高さにかかったワイヤーを即座に「渡ろう!」と判断するとか正気の沙汰ではない。製作者も正気の沙汰ではない。こいつは絶対発明家ではない。
僕が作中で最も印象に残ってるシーンも、マーク・ウォルバーグとCIAの殺し屋ジェームズ・サヴォイ(タイタス・ウェリヴァー)が香港の高層ボロアパートで戦うシーンです、はい。あれだけでも結構な見せ場だと思うんですが、そういう見せ場が絶え間なく来るんですごさがわかんなくなるんですよね。勿体ない。
というわけで『トランスフォーマー/ロストエイジ』はとても楽しかったです。
【作品情報】
‣2014年/アメリカ、中国
‣監督:マイケル・ベイ
‣脚本:アーレン・クルーガー
‣出演(日本語吹き替え)
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ケイド・イェーガー:マーク・ウォールバーグ(土田大)
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テッサ・イェーガー:ニコラ・ペルツ(中川翔子)
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シェーン・ダイソン:ジャック・レイナー(早志勇紀)
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ルーカス・フランネリー:T・J・ミラー(佐藤せつじ)
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ジョシュア・ジョイス:スタンリー・トゥッチ(梅津秀行)
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ハロルド・アッティンガー:ケルシー・グラマー(仲野裕)
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ジェームズ・サヴォイ:タイタス・ウェリヴァー(広瀬彰勇)
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蘇月明:李冰冰(魏涼子)
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バンブルビー:なし (山寺宏一)
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ラチェット:ロバート・フォックスワース(声) (浦山迅)
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ドリフト:渡辺謙(声) (水内清光)
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ブレインズ:レノ・ウィルソン(声) (斎藤志郎)
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ロックダウン:マーク・ライアン(声) (磯部勉)
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