宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

〈古典部〉シリーズ

(告知)コミックマーケット101 2日目(12/31)にて個人誌頒布します

告知です。きたる12月31日、コミックマーケット101 2日目、東5、ヘ-45b、サークル「宇宙、日本、練馬」にて個人誌『迂路と偶然 『氷菓』と京都アニメーションの可能性』を頒布します。 (12/30追記)BOOTHでも購入できますので、ぜひともよろしくお願いしま…

思春期の全能感、あるいは21世紀の偉大なる小市民——米澤穂信論のための覚書

先日、米澤穂信の〈小市民〉シリーズの新刊、『巴里マカロンの謎』が刊行されました。めでたいことです。以下、それにかかわることを書き留めておきます。

千反田えるはなぜ春の予感を告げたのか?――『氷菓』、ホームズ、歴史の磁場

米澤穂信による連作短編集『遠まわりする雛』および、それを原作としたアニメ『氷菓』は千反田えるが春の予感を告げ、締めくくられる。これはなぜか。それがこの短い文章が答えようとする問いである。

旅する女と2000年のユーゴスラヴィア――米澤穂信『氷菓』と書かれなかった歴史

米澤穂信『氷菓』と一連の作品をこのところ読んでいて、思うところあったので、書いておきます。

悲劇の英雄の死と復活――映画『氷菓』感想

映画『氷菓』をみました。以下、感想。

休日の終わり、探偵のはじまり――米澤穂信『いまさら翼といわれても』感想

月日が経つのは早いもので、刊行からもう半年以上経ってしまいましたが、ようやく『いまさら翼といわれても』を読みました。「連峰は晴れているか」と「いまさら翼といわれても」以外は未読だったのですが、非常によかった。以下感想。

(告知)コミックマーケット91 3日目にて個人誌頒布します

えー、昨日なんとかぎりぎりで入稿できまして、来たる冬コミで、個人誌『失われゆくものすべて――『氷菓』試論』を頒布いたします。アニメ版『氷菓』の評論本です。価格は500円の予定です。3日目、12月31日にアニメクリティーク刊行会@東V50bさまのブースに…

彼女の強さと弱さ――米澤穂信「いまさら翼といわれても」感想

『小説 野性時代』146-7号掲載、現時点での〈古典部〉シリーズ最新作「いまさら翼といわれても」を読みました。これまで雑誌掲載された短編は未読だし、単行本まで待とうかなーと思っていたのですが、魔がさして図書館で手に取ってしまいまして、いやー、非…

「特別であること」の二つの意味――アニメ『氷菓』を貫く問題系として

アニメ『氷菓』について、全体を「特別/普通」という軸が貫いているんじゃないかなみたいなことをぼんやり考えていて、考えています。とりあえず今頭に浮かんでいることをメモ的に。

たとえ結びなおすことはできなくても――米澤穂信『ふたりの距離の概算』感想

米澤穂信『ふたりの距離の概算』を読みました。アニメ『氷菓』のその先のお話、ということで、なんとなく読むふんぎりがつかず今までずっと積読状態だったのですが、意を決して読みました。以下で感想を。ネタバレが含まれます。

折木奉太郎の死角――アニメ『氷菓』「愚者のエンドロール」編感想

夏なので『氷菓』、「愚者のエンドロール」編が見直したくなり、みていました。確かな良さがあった。せっかくなので適当に感想を書き留めておこうと思います。

千反田えるの記憶と関谷純の「叫び」――アニメ『氷菓』「氷菓」編感想

折木奉太郎と千反田えるの未来について―『氷菓』についての論点整理 - 宇宙、日本、練馬 上の記事、なんだかよくわからないのですが意外なほど反響がありました。だからというわけではないのですが、『氷菓』についてだらだら考えていました。とりあえず今考…

折木奉太郎と千反田えるの未来について――『氷菓』についての論点整理

先日、小鳥遊@g_fukurowlさんと『氷菓』についてお話しする機会があり、大変刺激を受けました。それから特に考えがまとまったというわけではないのですが、多分、今年度も僕は懲りもせず『氷菓』とか青春とかについて書き散らかしていくのだろうなと思うので…

たとえ届かなくても、それでも「優しさの理由」が知りたい――アニメ『氷菓』における「謎」の位相

昨日、といか今日の未明、Twitter上で小鳥遊@g_fukurowlさんと『氷菓』についてひと盛り上がりしまして。それでちょっと思うところがあり、アニメ『氷菓』について思うところを書き留めておきたいと思います。chouchoの歌う第一期のオープニング曲から借りた…

千反田えるという最大の「謎」――アニメ『氷菓』の魅力についての雑感

アニメ版『氷菓』を象徴するフレーズと言えば、「私、気になります!」じゃなかろうか。そしてネット上で『氷菓』が語られる際にまず間違いなく発せられるうめき声が「えるたそ~」。どちらもヒロインである千反田えるに関わるものだと言う点で共通している…

「持てる者」=伊原摩耶花と「持たざる者」たち――アニメ『氷菓』「クドリャフカの順番」編 感想

amberfeb.hatenablog.com 昨日書いたこの記事で、『氷菓』の「クドリャフカの順番」編は「持たざる者」の物語である、ということを書いたんですが、それは「クドリャフカの順番」編のほんの一片をすくい取って語っているにすぎないと思うんですよ。当たり前…

「持たざる者」の物語としての「クドリャフカの順番」――アニメ『氷菓』感想

文化の日も終わって、文化祭の季節ももう終わりが見えてきた感じでしょうか。僕の周りの大学は学祭も終わってすっかり通常営業しているようです。文化祭をノリノリで楽しむようなメンタリティは失って久しいんですけれども、遠く離れてしまった友人と再会す…

「地元」に呪われる若者たち――『STAR DRIVER 輝きのタクト』と『氷菓』

現代思想 2014年4月号 特集=ブラック化する教育 作者: 大内裕和,斎藤貴男,佐藤学,佐々木賢,中西新太郎,児美川孝一郎,赤田圭亮,岡崎勝,青砥恭 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2014/03/27 メディア: ムック この商品を含むブログ (4件) を見る 先日、『現代…

アニメ『氷菓』が描く、学校という〈場〉――折木奉太郎と福部里志の関係から考える

昨日twitterでアニメ版『氷菓』についての語りがとっても盛り上がった。僕はこの『氷菓』がアニメの中で5本の指に入ろうかというレベルで好きなのですが、今まで特に文章は書いたりはしてこなかったんですね。でも書かないと自分にとって大事なことを忘れて…

本ブログのアニメ『氷菓』関連記事まとめ

2015年11月14日作成。アニメ『氷菓』についての記事のまとめ。現在アニメに関して10、そのほか関連する記事がいくつかあります。