宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2013-01-01から1年間の記事一覧

2013年 12月に読んだ本

2013年12月から、読書メーターなるものを始めてみました。3日坊主にならないように頑張りたいですね。 で、読書メーターさんが12月に読んだ本をまとめてくれる機能があったので、それを使ってブログの記事を更新しようかなと。楽でいいですね。 2013年12月の…

2013年ベストムービーを選んでみた

2013年 観た映画のまとめ - 宇宙、日本、練馬 上の記事で、今年みた映画をリストアップしたんですが、どの映画が印象的だったとかは書きませんでした。年が明ける前に、なんとかまとめておきたいと思ったので、とりあえずまとめようと思います。2013年に日本…

「教養主義」の亡霊としての「オタク」―自省のための「オタク」論

教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化 (中公新書) 作者: 竹内洋 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2003/07 メディア: 新書 購入: 17人 クリック: 277回 この商品を含むブログ (135件) を見る 先日、竹内洋氏の『教養主義の没落』を読んだ。明治…

2013年 観た映画のまとめ

もう2013年の残すところあとわずかなので、今年みた映画をメモ的にまとめておこうと思います。とりあえずは機械的にリストアップして、あとで印象に残ったやつとかを別で記事にすることにします(ベスト10だけこちらにも記載)。

『トト・ザ・ヒーロー』 人生ままならねえ

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督『トト・ザ・ヒーロー』を見た。『ミスター・ノーバディ』を見て以来、同監督の映画を見ようとは思っていたのだが、ようやく今日見ることができた。 ジャコ・ヴァン・ドルマル監督は、いまのところ3作しか長編映画を監督してい…

五十嵐×榎戸アニメの、これまでと、これから―『キャプテン・アース』によせて

TVアニメ「キャプテン・アース - Captain Earth」PV - YouTube 昨日、4月から放映される予定のTVアニメ、『キャプテン・アース』の公式サイトがオープンし、それに併せて上の第1弾PVが公開された。スタッフは、 『STAR DRIVER 輝きのタクト』とかなり重なっ…

『シューテム・アップ』 野菜スティックで人は殺せるんですよ!

『シューテム・アップ』という映画をご存じだろうか。クライブ・オーウェンやモニカ・ベルッチみたいなスターが出ているものの、公開当時の評判はあんまり芳しくなったようなので、そんなに見ている人もいないのではと思う。かくいう私も、ずっと銃撃戦して…

『おおかみこどもの雨と雪』の描く社会

本日12月20日、金曜ロードショーで『おおかみこどもの雨と雪』が放送される*1。『おおかみこどもの雨と雪』は、昨年劇場でみて、Blu-rayも購入して何度も見ているが、感想をブログに書くことは今までしてこなかったなあ、と改めて思った。せっかくのTV放映と…

『セブンティーン・アゲイン』 「もう一度」選び直す物語

Huluで『セブンティーン・アゲイン』を見た。冴えないオッサンが17才に戻って高校生活を送り直す、という筋だけ知っていたのだが、これが大変面白かった。 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』的に過去に戻って、高校生活をやり直すのかと思ったら、戻るのは…

ゆとりが選ぶ、SF映画ベストテン

SF映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ! 〜SF映画ベストテン受付中〜 せっかくなので、こちらのブログの企画に参加させていただこうと思います。改めて10本考えてみると、SF映画って意外と見てないなあ、と気付きましたね。というか、SF映画というジャンル…

『ゼロ・グラビティ』 宇宙に放り出される、極限の90分

『ゼロ・グラビティ』を3D・字幕版で鑑賞。前評判にたがわぬ、素晴らしい映画だった。超濃密な90分。90分間、極限状態の宇宙飛行士の疑似体験をあますことなく味わった。映画の面白さのひとつは、普通に生きていたら決して体験しないであろう経験を疑似的に…

ギャラガー兄弟の暴言で振り返る2013年

今年も残すところあとわずかですね。俺がオアシスを死ぬほど好きというのは前の記事でも書いたんですが、その理由は楽曲や演奏が好きって言うのはもちろんなんですが、やっぱりフロントマンであるギャラガー兄弟のキャラクターによるところも少なくない。 彼…

2013年、印象に残ったアルバム

もう2013年も残すところあとひと月。せっかくブログをやっているんだから、今年の自分の足跡というか、活動の記録を残しておこうかなと。今考えていることって、意外とすぐ忘れてしまうなあ、とブログを始めてからつくづく思うので、備忘録的に書き留めてお…

『もののけ姫』をもっと楽しむための読書案内!

今日、『もののけ姫』のBlu-rayがとどいた。『もののけ姫』は、(今のところ)宮崎作品の中で一番好きなんだけど、最後に見たのは金曜ロードショーで放映された時。調べてみたら2011年の夏に放映したのが一番最近みたいなので、2年ぶりくらいに見たことにな…

『キャプテン・フィリップス』 命の価値は

『キャプテン・フィリップス』を字幕版で鑑賞。ソマリアで海賊に人質に取られた貨物船の船長の話で、『ボーン・アルティメイタム』のポール・グリーングラスが監督していて、トム・ハンクスが主演、ぐらいの前情報しかない状態で見た。予告編もまだ見ていな…

2人の巨匠の「遺言」―宮崎駿『風立ちぬ』と高畑勲『かぐや姫の物語』が伝えたかったこと

先日、『かぐや姫の物語』が、(延期はしたけれども)無事公開された。宮崎駿の引退宣言もあり、おそらく長年ジブリの顔だった二人の長編映画は、もう見られないだろうと思う。その意味で、多分2013年は、2人の巨匠の作品が最後に世に出た年として歴史に残るん…

『かぐや姫の物語』 世界はかくも美しい

昨日、高畑勲監督『かぐや姫の物語』を見に行った。予告編でも、その超絶な作画の一端を見ることができたが、本編も予告と比べて遜色なく、いや、むしろ予告で見せた以上の唯一無二の美麗な場面の連続。137分全てが見せ場といっても過言ではない、すごい映画…

『お嬢さん乾杯!』 原節子の演技は色褪せない

木下恵介監督『お嬢さん乾杯!』をHuluでみた。木下恵介監督の作品は『陸軍』、『二十四の瞳』をみたが、それらとはまた違った味わい。労働者の男と没落した名家のお嬢さんとの関係を描く、直球のラブコメディだった。戦後直後(昭和24年)に撮られたラブコメ、…

『世界にひとつのプレイブック』 最後のセーフティネット=家族

『世界にひとつのプレイブック』をみた。予告編を見る限り爽快な感じで終わりそうだし、なんかアカデミー賞にいっぱいノミネートされてたし、みたいなあんまり積極的でない動機からみることに決めたのだが、予想をはるかに上回る爽快感、面白さだった。俳優…

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』における「叛逆」とは何か?

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』をまた見に行った。一度目は物語の核である、「叛逆」とはいったいなんなのか、正直つかめないまま観終えてしまったが、2度目の鑑賞でだいぶつかめてきた感がある。なので、それを書きとめておきたい。叛…

『127時間』 壮絶な映画体験。壮絶なバイオレンス。

『127時間』をみた。ダニー・ボイル監督作品ということで、みたいみたいとは思っていたが、どう考えてもつらそうだし、痛そうだし、見るのを何となく避けてきた。つい先日、意を決してTSUTAYAでレンタルして、鑑賞することにした。結果、想像以上に感情が、…

傑作ロボットアニメの共通点Ⅱ―ラストバトルの想像力

先日、『天元突破グレンラガン』と『STAR DRIVER 輝きのタクト』というケッサクロボットアニメを比較の俎上にのせ、ロボットの動力という両者の共通点を指摘した。 傑作ロボットアニメの共通点―『天元突破グレンラガン』と『STAR DRIVER 輝きのタクト』 - 宇…

傑作ロボットアニメの共通点―『天元突破グレンラガン』と『STAR DRIVER 輝きのタクト』

先日Blu-ray Boxを購入した『天元突破グレンラガン』を観た。放送当時、とびとびながら見ていたのだが、ちゃんと全話通してみるのは初めて。正直、今まで見てこなかったのを後悔するレベルで面白くて、あっという話にテレビシリーズを全話見てしまった。比類…

今こそ見るべきアニメ、『モノノ怪』―中村健治監督の原点として

前クールで、最も注目を集めたアニメが『ガッチャマン クラウズ』であったことは間違いない*1。その先の読めない展開と現代的なテーマによって、『ガッチャマン クラウズ』は今年のテレビアニメの中でも最高の面白さを誇っている。 『ガッチャマン クラウズ…

木下恵介監督 『二十四の瞳』 昭和の時代の人々とは

木下恵介監督『二十四の瞳』を観た。先日『陸軍』を観て以来、木下監督の作品をみたいみたいと思っていはいたんだけれども、なかなかその機会がなかった。しかし先日加入してみたHuluで、いくつか木下監督の作品を観ることができると気付いたので、さっそく…

声優・檀臣幸氏を偲ぶ

俳優・声優として活躍されていた檀臣幸(だん ともゆき)氏が、先月10日に亡くなった。ご冥福をお祈りいたします。 氏は俳優としても、声優としても幅広く活躍されていたようだ。しかし、自分にとっては、魅力的な、洋画の吹替え声優の一人、というイメージだ…

耐えられない「バイオレンス」の軽さ―アニメ・ゲームにおける暴力描写に関する雑感

先ほどまでHuluで『ゆるゆり』を見ていたのだが、ひとつ気になることがあった。かわいらしい女子中学生が、からかわれたりなんなりの報復行為において、ためらいなく暴力=「バイオレンス」を行使するのである。かわいらしい中学生が。結果的にそれは、ギャ…

網野善彦 宮田登『歴史の中で語られてこなかったこと 』を読んだ

新版 歴史の中で語られてこなかったこと (歴史新書y) 作者: 網野善彦,宮田登 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2012/06/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (4件) を見る 『歴史の中で語られてこなかったこと 』を読んだ。歴史家網野善彦氏と、民俗学者…

『切腹』 未だ色褪せぬ傑作時代劇

小林正樹監督『切腹』を観た。三池監督が最近リメイクしたことを知り、そっちを観る前にこの1962年版を観ようかなと思い立って観ることにしたのだが、期待をはるかに上回る面白さだった。石濱朗の、壮絶に痛みを感じさせる切腹、仲代達矢と三国連太郎の鬼気…

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』 現代の、絶望的「ビューティフル・ドリーマー」

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』を鑑賞。ネット上での反響に違わず、とんでもない映画だった。まず、息をつかせぬ展開、アクションの連続。狂気を孕んだ絢爛な演出。そしてなによりストーリーも申し分ない。押井守監督の傑作『うる星や…