宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2013-01-01から1年間の記事一覧

『茄子 アンダルシアの夏』が傑作なワケ

久しぶりに『茄子 アンダルシアの夏』を観た。この映画、今までみた映画の中で最も主人公に感情移入した映画かもしれない。今回見直して、やっぱりこの映画は傑作であるとの思いを強くした。 本作の監督、高坂希太郎氏は、『風立ちぬ』で作画監督をなさって…

中国近代史の学び方(嘘)

こんなタイトルの記事だが、自分は別に中国近現代史を専門にしているわけではない。むしろ、もうどこにしまったかも忘れてしまった受験知識ぐらいしか、中国史については知らない。ずぶの素人である。 そんな自分がなぜこんなタイトルの記事を書いているかと…

『花咲くいろは HOME SWEET HOME』 これぞ「劇場版」

『花咲くいろは HOME SWEET HOME』のBlu-rayを購入、視聴。TVシリーズのファンとしては、これ以上ない劇場版だった。そして商品の仕様もまたファンの期待を裏切らない「わかってる」感にあふれていて、お金を出して買った価値があろうというもの。

北田暁大『増補 広告都市・東京: その誕生と死』を読んだ

増補 広告都市・東京: その誕生と死 (ちくま学芸文庫) 作者: 北田暁大 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2011/07/08 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 27回 この商品を含むブログ (18件) を見る 北田暁大『増補 広告都市・東京: その誕生と死』を読んだ…

『ガッチャマン クラウズ』 は超前衛的社会派アニメだった!

最近、ブログやtwitterで話題の『ガッチャマン クラウズ』を見終わった。実写版ガッチャマンの便乗企画かと思ったら、まさかの直球社会派アニメ。こんな直球で現代社会に切り込んでるアニメって、『東のエデン』以来じゃないか。

吉見俊哉『都市のドラマトゥルギー 東京・盛り場の社会史』を読んだ

追記 2017/04/22 再読して改めてメモったのでこちらをあれしてください。 都市のドラマトゥルギー (河出文庫) 作者: 吉見俊哉 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2008/12/04 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 57回 この商品を含むブログ (25件) を見…

『ザ・マスター』 小山力也の吹替えが壮絶

『ザ・マスター』、Bru-ray版を購入。。劇場で観た時からずっと楽しみにしていた。リバーシブルジャケがかっこいい。未公開シーンも洒落た編集がなされていてまたかっこいい。今回はせっかくなので吹替え版で視聴。この出来がまた素晴らしかった。あいかわら…

『ウルヴァリン: SAMURAI』 日本人にとって楽しい映画

『ウルヴァリン: SAMURAI』を3D・吹替え版で観た。前情報を全然入れていなかったので、色々面食らった。まさか『X-MEN: ファイナル ディシジョン』の後のお話とはね。全体的にはアクションもいい感じで、楽しめたが、3Dの効果はいまいち感じられなかった。吹…

『ゼロ・ダーク・サーティ』 と『キングダム/見えざる敵』 復讐の先にあるものは

『ゼロ・ダーク・サーティ』をBlu-rayで視聴。緊迫感あふれる重厚なサスペンスだった。娯楽性では監督の前作である『ハート・ロッカー』や、アカデミー作品賞を争った『アルゴ』には及ばないと感じたが、描写のリアリティは「実録ビンラディン暗殺」とも言う…

京都に行ったよ

友人と京都に遊びに行きました。3泊4日で行きは18切符、帰りは高速バス。天気がいまいちだったのが残念だったが、いい気分転換になった。

『マン・オブ・スティール』 超絶アクションと丁寧なドラマ

『マン・オブ・スティール』を3D・吹替え版で観た。ストーリーの語り口は重厚で、予告編で見せたアクションシーンも期待以上の迫力だったので大満足。新たなスーパーマンシリーズの始まりを感じさせるこの作品の誕生に立ち会えたことを感謝したい。以下で本…

『スター・トレック イントゥ・ダークネス』 安定のホモソーシャル

『スター・トレック イントゥ・ダークネス』を、3D、吹替え版で鑑賞。3Dの視覚効果を存分に楽しめたが、肝心の物語の方はなんとなく消化不良といった感じ。予告編からは『ダークナイト』的な、ハードな展開を期待していたのだが、実際は前作の路線を継ぐ、…

『風立ちぬ』 堀越二郎の「夢」と業

先日、『パシフィック・リム』を観た後続けて『風立ちぬ』を観た。やはりいい映画だと再認識したが、物語全体を貫く芯は堀越の飛行機設計であり、菜穂子との恋愛は(印象的ではあるけれども)あくまで添え物にすぎないとの思いも強くした。 堀越の追う、美しい…

『パシフィック・リム』 我らが見ずして誰が見る!

『パシフィック・リム』3D・吹替版を後輩たちと見てきた。『風立ちぬ』2回目も見たんだけど、それについいてはまた後日。『パシフィック・リム』、素晴らしい娯楽映画でした。1秒も退屈しなかったといっても過言ではない。映画館で見てよかったと思える映画…

『風立ちぬ』 ヒットの理由を考えてみる

『風立ちぬ』の興行成績はかなり順調な様子。やっぱり好きな映画がヒットすると嬉しいね。 『風立ちぬ』V3で強し!クチコミの観客とリピーター続出の理由とは? この記事でヒットの理由が考察されていたので、対抗して私見を述べたい。

『陸軍』 戦争と親の情

『陸軍』をレンタル&視聴。恥ずかしながら、木下恵介監督の作品は見たことが無かった。原恵一監督の『はじまりのみち』が公開されたことで、その存在を知った。『はじまりのみち』は未見だが、木下監督のような巨匠を、若年層に知らしめるという意味でも(現…

国立科学博物館 特別展「深海 —挑戦の歩みと驚異の生きものたち—」を見に行った

後輩から誘ってもらったので、科博の特別展に行ってきた。先日NHKで放映されたダイオウイカのドキュメンタリーとがっつりコラボしているらしい。俺は未見だが、後輩たちはみたのかな、と思っていたら彼らも未見であった。

『風立ちぬ』はジブリの『ライトスタッフ』だ!

『風立ちぬ』は非常に自分好みの映画だった。夢に生きる男、堀越二郎が己の才能を賭して挑んだ戦闘機の設計は、結局のところ「最後はぼろぼろ」になって終わる。そこから「生きる」と決意する物語なのである。挫折を経て再出発する男の物語、そんな風に私は物語…

『最強のふたり』『人生の特等席』 から邦題について考える

『最強のふたり』と『人生の特等席』をレンタルで視聴。友人とレンタル料を折半して一緒に見た。評判にたがわぬいい映画だった。その評判を聞いていながらなぜ今まで見ていなかったか。それは邦題だ。予告を映画館で見た時から、「最強」というワードがひっか…

『紅の豚』 マイノリティだからかっこいい

先日『紅の豚』のBlu-rayが出たので、購入&視聴。画質は素晴らしい。海と空の青色がはっきりと発色していて、DVDで見たときよりかなり明るい印象を受けた。DVDで視聴したのもかなり前のことなので、記憶はおぼろげなのだが。

『ザ・マスター』 奇妙な関係

下高井戸シネマにて『ザ・マスター』を観た。Blu-rayが出るまで我慢しようかとも思ったが、予告編を見たらいてもたってもいられず、後輩を無理に誘って見に行ってしまった。

『ラリー・フリント』 表現の自由を守る意味

『ラリー・フリント』をレンタルで視聴。表現の自由をめぐっての議論が活発に行なわれている今だからこそ、見るべき映画だった。

網野善彦『日本の歴史をよみなおす (全) 』を読んだ

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫) 作者: 網野善彦 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2005/07/06 メディア: 文庫 購入: 22人 クリック: 380回 この商品を含むブログ (165件) を見る 網野善彦『日本の歴史をよみなおす (全) 』を読了。網野氏の…

『花咲くいろは』 「日常」と「非日常」の脱構築

『花咲くいろは』を視聴し終えてからしばらくたった。このアニメは、1話見るたび「明日もがんばろう」という気持ちになる、そんなアニメだった。これは、Blu-ray9巻に付属の小冊子のインタビューでも言及されており*1、多くの人がそう感じていたようである。…

『花咲くいろは』 仕事をするということ

本当に今更ながら『花咲くいろは』を視聴し終えた。放映当時はオープニングかっこいいなーとか、安藤真裕氏が監督なんで見ないとなーとか思っていたが、結局今まで見る機会が無かった。 先日、何の気なしにTSUTAYAでDVDの1巻をレンタル&視聴してみたら、今の…

鈴木謙介『ウェブ社会の思想』を読んだ

ウェブ社会の思想―“遍在する私”をどう生きるか (NHKブックス) 作者: 鈴木謙介 出版社/メーカー: 日本放送出版協会 発売日: 2007/05 メディア: 単行本 購入: 8人 クリック: 111回 この商品を含むブログ (134件) を見る 鈴木謙介『ウェブ社会の思想』を読了。 …

鈴木謙介『カーニヴァル化する社会』を読んだ

カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書) 作者: 鈴木謙介 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2005/05/19 メディア: 新書 購入: 14人 クリック: 316回 この商品を含むブログ (321件) を見る 鈴木謙介『カーニヴァル化する社会』を読了。2005年に出版された本…

宮台真司『まぼろしの郊外』を読んだ

まぼろしの郊外―成熟社会を生きる若者たちの行方 (朝日文庫) 作者: 宮台真司 出版社/メーカー: 朝日新聞社 発売日: 2000/02 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 40回 この商品を含むブログ (39件) を見る 宮台真司『まぼろしの郊外』を読了。これで宮台氏の…

宮台真司 『制服少女たちの選択―After 10 Years』を読んだ

制服少女たちの選択―After 10 Years (朝日文庫) 作者: 宮台真司 出版社/メーカー: 朝日新聞社 発売日: 2006/12 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 44回 この商品を含むブログ (56件) を見る 宮台真司『制服少女たちの選択―After 10 Years』を読了。『増補 …

宮台真司 大塚明子 石原英樹『増補 サブカルチャー神話解体』を読んだ

増補 サブカルチャー神話解体―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在 (ちくま文庫) 作者: 宮台真司,石原英樹,大塚明子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2007/02 メディア: 文庫 購入: 12人 クリック: 75回 この商品を含むブログ (98件) を見る 宮台真司、大…