『花咲くいろは HOME SWEET HOME』のBlu-rayを購入、視聴。TVシリーズのファンとしては、これ以上ない劇場版だった。そして商品の仕様もまたファンの期待を裏切らない「わかってる」感にあふれていて、お金を出して買った価値があろうというもの。
商品の仕様が素晴らしい!
パッケージの仕様だが、BOXがいい感じにTV版Blu-rayの単品版についていた3巻ずつ収納できるBOXとお揃いになっていて、所有欲がいい感じに満たされる。並べて置くとこんな感じ。
BOXの絵自体は、TV版とは違い岸田メルではなくキャラデザの関口可奈味氏の書き下ろしイラストになっている。
また特典に安藤真裕監督による紙上コメンタリーがあるのもうれしい。先日の『スター・ドライバー THE MOVIE』のBlu-rayもそうだったが、紙上に文で書き起こされているとやっぱりオーディオコメンタリーより頭にすっと入る気がする。声優のコメンタリーを聞きながら見るのも楽しいけど、スタッフのはこういう感じで紙上にまとめてほしいなあ。
「母と子の物語」という軸
さて、パッケージからファンサービスにあふれる本作だが、中身は単なるファンサービスに留まらない。本編20話と21話の間を舞台に、「いつもの喜翆荘」の出来事=日常を描きつつ、母親皐月の物語を一つの軸として物語は進む。喜翆荘のドタバタをテレビシリーズと同様のテンションで描きつつ、皐月の物語に断片的に触れていく緒花を描くことで、一つの映画としてまとまりのあるつくりになっている。
テレビシリーズではあまり語られなかった皐月のドラマが描かれたことによって、『花咲くいろは』という作品全体に、緒花、皐月、スイの親子3代の物語として再構築された感すらある。テレビシリーズにあった、3人が語り合うシーンも、『Home Sweet Home』を見た後に見直してみたら、より深い味わいが出るのではないかと感じた。
この皐月の回想エピソードが、無理なく日常と絡み合う構成も見事。安藤監督もコメンタリーで言及していたが、時系列が入れ替わる中で、2役を見事に演じ分けた伊藤かな恵さんの演技力には脱帽するしかない。
また、日常パートでも、主役の緒花はもちろん、なこちとみんちもそれぞれ成長が描かれるのが心憎い。劇場版は「母と子の物語」が前面にでているけれど、同時にやっぱり『花咲くいろは』は喜翆荘の物語なんだと再確認させられた。こういうところも、まさしくTVシリーズの精神をしっかりと継承した、素晴らしい劇場版だったと思う。またTVシリーズを見直して喜翆荘の人たちから元気をもらいたい、そう感じさせる素晴らしい後味だった。
劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME (Blu-ray Disc初回生産限定特別版)
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2013/10/16
- メディア: Blu-ray
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劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME (Blu-ray Disc通常版)
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2013/10/16
- メディア: Blu-ray
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