『ウルヴァリン: SAMURAI』を3D・吹替え版で観た。前情報を全然入れていなかったので、色々面食らった。まさか『X-MEN: ファイナル ディシジョン』の後のお話とはね。全体的にはアクションもいい感じで、楽しめたが、3Dの効果はいまいち感じられなかった。吹替えは安定の山路和弘氏がウルヴァリンを好演し、日本人役はそれぞれの役者がいい味を出していた。
強すぎるヤクザ&ニンジャ
まずこの映画の見どころは、アメリカ人の考えるステレオタイプな日本像が頻出する点にあるだろう。基本線としては日本の姿をリアルに描写していると思うが、日本軍の兵士は手榴弾ではなく刃物で自決するし、登場人物の多くは武道の達人だしで、なんとなくステレオタイプな日本観が垣間見えるのがチャーミング。
その最たる点は、圧倒的戦闘力を誇るヤクザ&ニンジャだ。
映画『ウルヴァリン:SAMURAI』日本オリジナル本予告 - YouTube
この予告で、ウルヴァリンが電車の上で戦うシーン、相手は強力なミュータントなどではなく、ただの名もなきヤクザなのである。ただのモブにも関わらず、ウルヴァリンの身のこなしになんとかついていくその姿は爆笑を誘った。彼は次回作でもウルヴァリンの前に立ちふさがってくれるに違いない。
また、敵のニンジャ軍団の強さも印象的。アクロバティックに障子を開閉する姿が妙に頭に残る。彼らとウルヴァリンが直接は剣を交えなかったのは残念だ。加えて、雪緒役の福島リラの身のこなしもよかった。いろんな武器を、自然な感じで使いこなす感じがいい。今後はハリウッドでデヴォン青木みたいな立ち位置につきそうな予感。彼女はX-MENシリーズでレギュラー化してほしいな。
能力者不在の『X-MEN』
そんな感じで楽しい本作だが、不満もあるにはある。それは、XーMENシリーズにも関わらず、殆どミュータントが登場しないことだ。主人公のウルヴァリン以外では、黒幕的に暗躍するヴァイパーぐらいか。このシリーズの魅力は、なんといっても個性的な能力をもつミュータントたちの活躍にあると思うので、正直言って寂しかった。、ただ、出すだけ出して使い捨てにする、みたいな感じよりは愛があるかもしれないけど。ウルヴァリンとヤシダ家を主軸にドラマを組み立てるなら、そういう使い方になってしまう気がするし。
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