『ザ・マスター』、Bru-ray版を購入。。劇場で観た時からずっと楽しみにしていた。リバーシブルジャケがかっこいい。未公開シーンも洒落た編集がなされていてまたかっこいい。今回はせっかくなので吹替え版で視聴。この出来がまた素晴らしかった。あいかわらず話の方はちゃんと理解できていないが。
ホアキン・フェニックス=小山力也
本作の魅力は、なんといってもホアキン・フェニックスの危機迫る怪演だと思うが、ホアキンを吹き替えている小山力也氏は見事にそれを日本語に置き換え直している。ホアキンの演技は、声の抑揚とんでもなくついていて、それが異常な迫力を生んでいたような気がするが、さすがに吹替えのほうは声のトーンはそれよりは平板に感じた。それでも、日本語で繰り出される卑語、罵倒の数々は聞いていて心地いいレベル。それほど熱のこもった演技だった。
Wikipediaによると、小山氏はホアキン・フェニックスの吹替えを以前も担当しているようだが、残念ながら未視聴。これからもぜひホアキンの吹替えをやってほしいな。
なんとなくキューブリック的
今回も話の方は理解できなかったわけであるが、何となく感じたのは、キューブリックの『アイズ・ワイド・シャット』と似ているな、ということである。
前作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のラストのボウリング場の撮りかたなんか、特にキューブリック的だと指摘されているが、今回もそうなんじゃないか。猟奇的でセクシャルな印象を受けるという点で『アイズ・ワイド・シャット』っぽいし、主人公の性的な欲望が満たされることが示唆されるラストシーンなんかも共通している。箇条書きマジックかもしれないが。ともあれ、ポール・トーマス・アンダーソン監督がキューブリック並みの大物になる日がくるかもしれない。
いまは別件が多忙で果たせないが、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』とあわせて、ちゃんとした考察をいずれか書きたい。
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【作品情報】
‣2012年/アメリカ
‣監督:ポール・トーマス・アンダーソン
‣脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
‣出演(日本語吹き替え)
- フレディ・クエル :ホアキン・フェニックス (小山力也)
- ランカスター・ドッド: フィリップ・シーモア・ホフマン (後藤哲夫)
- ペギー・ドッド :エイミー・アダムス (落合るみ)
- ヘレン・サリヴァン :ローラ・ダーン (入江純)
- エリザベス・ドッド: アンビル・チルダーズ (下山田綾華)
- ヴァル・ドッド: ジェシー・プレモンス
- クラーク: ラミ・マレック(中村和正)
- ジョン・モア: クリストファー・エヴァン・ウェルチ (魚建)
- ビル・ウィリアム: ケヴィン・J・オコナー
- ドリス・ソルスタッド: マディセン・ベイティ (佐藤美由希)
- ソルスタッド夫人: レナ・エンドレ