『トロン:アレス』をみたので感想。
近未来。先端技術産業での覇権をめぐって、エンコム社とディリンジャー社がしのぎを削っていた。ディリンジャー社は、デジタル世界の物質を現実世界に出力する技術を用いて最強の軍隊をつくれるとプロモーションしていたが、実体化した物体は29分で崩壊してしまうという欠陥を抱えていた。エンコム社も同じ課題に頭を悩ませていたが、トップのイヴ・キム(グレタ・リー)が妹の記憶を頼りに、隠されていた永続化コードを入手する。それを察知したディリンジャー社CEOのジュリアン・ディリンジャー(エヴァン・ピーターズ)は、奪取のためにデジタル世界の最強防衛プログラム、アレス(ジャレッド・レト)を実体化させて差し向けるのだが…。
『トロン』シリーズ第3作目で、監督は『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』のヨアヒム・ローニング。ナイン・インチ・ネイルズによる音楽は重低音の響きがすばらしく、それを劇場の音響で堪能できるというだけで足を運ぶ価値があるというもの。その破壊的な響きと、アレスたちバーチャル世界の兵士たちがまとう不気味な赤色光の相乗効果はすばらしく、ビジュアルとサウンド面だけでユニークな魅力のある映画になっていると思う。
アレスたちが駆る大友克洋『AKIRA』リスペクトと思しきバイクは、映画『AKIRA』の特徴的な演出であるテールライトの残像が現実に実体化して武器になったりするというロマン仕様で、このバイクによるカーチェイスは間違いなくこの映画のハイライトでしょう。
それだけビジュアルが強烈なので、お話が存外こぢんまりとまとまっているのもご愛敬でしょう。バーチャル世界を現実に出現させる謎技術を使ってもっと混沌とした展開にしたら『リベリオン』的な、カルト的な人気をよぶ映画になりえたような気もするのだけど…。
