宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

未来は僕らの思い出のなか――『レディ・プレイヤー1』感想

レディ・プレイヤー1(ソング・アルバム)

 『レディ・プレイヤー1』をIMAX3D・字幕でみました。以下感想。

  2045年、アメリカ。我々の生きる現代よりも幾分か荒廃し後退してみえる世界のなかで、人びとはゲームに没頭していた。現実世界とならぶもう一つの世界、望むものになれる理想の仮想現実世界「オアシス」。そのゲームの開発者の遺した言葉が、人びとをゲームへとますます駆り立てる。もう一つの世界の覇権を狙う大企業の前に、一プレイヤーにすぎない青年たちは押しつぶされてしまうのか。

 アーネスト・クラインによる原作をスティーブン・スピルバーグが映画化。『AKIRA』・『ストリートファイター』そして『機動戦士ガンダム』などなど、数え上げたらきりがないほどの版権作品のキャラクターやメカニックやらが仮想現実上でごっちゃになって飛び交うさまは、もうそれだけで楽しくなってしまう。おたくがおもちゃ箱を仮想空間上にひっくりかえし、それを思うさま動かして楽しむさまを眺めているような感覚があり、それはほかの映画では代替不可能なものだと思う。とくにあの機動戦士が登場するときの馬鹿みたいで笑っちゃうのに無茶苦茶熱くもある、みたいな変な感情が湧いてきて異様に印象に残っていて、好きです。

 ここ半世紀のフィクションの博覧会という趣だけれど(近年の作品だと『オーバーウォッチ』なんかがちらっと出てくる)、やはりメインは80年代前後になるのかなという感じがあって、その時代の記憶と思い出を梃に、荒廃した世界を変えてゆこうみたいな趣向が全体を規定しているように感じる。第1の試練で、逆走することでゴールにたどり着く、というのは極めて象徴的な(文字通り『バック・トゥ・ザ・フューチャー』!)なシーンだなあと思います。

 とはいえ、現実とゲームとの関係のだらしなさは、ちょっとあれだなあと思う気持ちもあるんですけど、それは以前『ソードアート・オンライン』を視聴したときに書いたので、ここで繰り返すのはやめておきます。『レディ・プレイヤー1』、どちらかといえば家で友人とわいわいだべりながら気楽にみるのが好適かもしれないな、とも思います。こんな豪華な映像を家の陳腐なテレビの画面に映すのは、、ちょっと気が引けますが。

 

amberfeb.hatenablog.com

 

 

メイキング・オブ・レディ・プレイヤー1

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レディ・プレイヤー1(ソング・アルバム)

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ゲームウォーズ(下) (SB文庫)

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ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

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【作品情報】

‣2018年/アメリカ

‣監督:スティーヴン・スピルバーグ

‣脚本: アーネスト・クラインザック・ペン

‣出演