両国にある江戸東京博物館で開催されている、「思い出のマーニー×種田陽平展」に行ってきました。小雨がぱらつくどんよりした天気だったので、お客さんは少なめでじっくり楽しめました。以下で簡単に感想を。写真撮影は禁止だったので、文字ばっかりですが。
そこにある「マーニーの世界」
この「思い出のマーニー×種田陽平展」、入場料は一般1300円。ぶっちゃけ、なかなか強気な値段設定だなーと思ったりもしたんですね。いやしかし、入ってみたらそれも納得。展示のメインは再現された湿っ地屋敷のマーニーの部屋だったり、あのサイロだったりと、まさに空間そのものがこの企画展の魅力。特にマーニーの部屋の雰囲気は白眉で、ベッドやピアノなどの家具はもちろん、こまごまとした小物なんかも飾り付けられていて、とんでもないこだわりを感じました。まさに映画そのものから抜け出てきたような、そんな印象。『思い出のマーニー』の世界がそこにあるわけですよ。これだけで十二分にもとはとったという気分になりました。貧乏根性丸出しですが。
あとサイロもすごかったですね。風の音やら雷の音やらの音響に加えて、風も吹きこませる凝りようで、そこにマーニーの姿が浮かび上がるんですね。こういう趣向が、実際に足を運んで体験しないと味わえない魅力というか。そんな魅力にあふれた、まさに「マーニーと再び出会う」というコンセプトが見事に達成された企画展だったんじゃないかと思いました。
舞台の魅力を再確認する
その再現された空間プラス、背景画とジオラマが展示されている感じだったんですが、こちらもよかった。舞台である北海道の海辺の街の魅力を再確認しました。ジオラマはいくつかあったんですが、圧巻だったのが湿地~湿っ地屋敷で、お屋敷の魅力を360度味わえるというすんばらしいジオラマでした。で、時間とともにじょじょに照明の色調が変化していって、昼夜が変化するんですね。それにあわせて、お屋敷の窓にマーニーが見えたり見えなくなったり。さすが芸が細かい。
背景画も、スタジオジブリの美術スタッフの圧倒的な力を存分に味わえました。あの舞台の魅力を再確認した感じがあります。自分の貧弱な語彙ではいいつくせないですね、はい。
背景画と合わせて、準備段階での設定なんかも記載されていたり。作中では明示されなかった湿っ地屋敷の来歴とか、マーニーの人生の年表だったりとか。特に湿っ地屋敷は建築段階の図面だったりも展示されてたりして、緻密な美術を裏から支える強固な設定を垣間見た感じがあります。
9月の半ばまで開催されているみたいなので、『思い出のマーニー』に心ひかれた方は是非行ってみては。江戸東京たてもの園で開催されている「ジブリの立体建造物展」もあわせて。
江戸東京たてもの園「ジブリの立体建造物展」に行ったよ - 宇宙、日本、練馬
こっちは12月ごろまでやってるみたいですね。
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