『Witch Hunter ROBIN』をみたので感想。
現代日本によく似た世界。超常の能力をもつ「ウィッチ」とよばれる存在が人知れず暗躍する中、それを狩るウィッチハンターたちも活動していた。ウィッチハンターを束ねるソロモン、その日本支部であるSTNJに、欠員補充のため派遣された少女、ロビン。ウィッチを狩る任務を果たしていく中で、思いもよらぬ運命が彼女を待ち受ける。
2002年放映、サンライズ制作の、異能サスペンスもの。高橋久美子によるキャラクターデザインは大人びていて、リアリズムに寄せた感触。監督は『Ergo Proxy』、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の村瀬修功で、それがこの作品を視聴した大きな動機だった。
全体として、『Xファイル』風(といっていいんだろうか)の超常の力にかかわる事件を解決していく一話完結の前半部と、ロビンが追われる立場となり、ロビンや世界の様々な秘密が明かされていく後半部にわけられる。類似の趣向のアニメでぱっと思いついたのが2007年放映の岡村天斎監督『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』だが、岩原裕二原案の漫画的なキャラクターが大胆にアクションを演じる『DTB』と比べると、この『Witch Hunter ROBIN』はよりシックな、ネガティブにいえば外連味に欠ける印象も受ける。
また制作陣が『傷だらけの天使』をイメージしたと語っている『DTB』に対して、(制作陣のインタビューにあたったわけではないが)『Witch Hunter ROBIN』は、オープニングタイトルのマドンナへのオマージュなど洋物志向を強く感じるというか、海外ドラマを一つの参照軸にしているのではという感じを受けた。
わたくし個人としては『DTB』がオールタイムベスト級に好きなので、『Witch Hunter ROBIN』のテイストはやや薄味に感じられたが、それでも手堅くリアリズムに則った画面でつないでいくこの感触は、初監督作品にして村瀬修功の署名のようなものを感じて、おもしろくみた。
それとおもしろかったのは、STNJは機密組織っぽい感じなのにコネ入社のやる気ないメンバーがいたり、テンプレの中間管理職のおじさんみたいな人が配されたりと、精鋭感がまるでないこと。この題材であれば、例えば『攻殻機動隊SAC』のようにプロフェッショナル集団として描くことも自然な気がするのだが、そうなっていないことで味わいがでている。