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宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

コナン映画めっちゃ面白かったよという話―初期『名探偵コナン』劇場版7作感想

アニメ 映画

 名探偵コナン 86 (少年サンデーコミックス)

 Huluで配信されてる『名探偵コナン』劇場版をだらだらみていたので感想を書き留めておこうと思います。致命的なネタバレは書いていないつもりですが、完全にネタバレ回避しているわけではないのでご注意を。すべて再見ですが、いつぶりかわからないほどでほとんど内容を忘れていました。とはいってもまったく未見の映画をみるのとはまた違った感触で、ああ、意外と憶えてるとこは憶えてるんだなあと。とりあえず有意義な一日でした(完)。

 

古都で内ゲバ―『名探偵コナン 迷宮の十字路』

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 2003年公開。第7作目。強盗団の内ゲバをめぐる殺人事件という劇場版に似つかわしくないスケール感と、京都を縦横無尽に駆け巡る観光映画感が好き。「俺も義経になりたかったんや!!!」という犯人の小物感あふれる悲痛な叫びが心に残る。それと主題歌めっちゃよい。

 地味な事件と裏腹に、カーチェイスあり、チャンバラありとアクション増し増し。カーチェイスはこのころから3DCGが使われてて結構びっくり。こういう細部は全然憶えてないっすね。

 あと地味だからかわかりませんが脚本は堅実でよくできてる。『ダイ・ハード』ばりにすべての無意味っぽい会話が伏線になっててびびりました。アガサの無意味な発明品、弁慶にまつわる観光名所めぐりetc...。これは他の劇場版にもいえることのような気がしますが。

 

いつまでも消えない記憶―『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』感想

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 2000年公開。第4作目。警官連続射殺事件に巻き込まれ、記憶を失った毛利蘭。正体不明の暗殺者から彼女を守りきり、そして犯人を突き止めることができるのか。

 「蘭が記憶喪失になる」というギミック以外完全といっていいほど忘れていたのでめっちょ楽しめた。「あ、こいつ犯人ですげえびっくりしたんだった!」と初見の時の気持ちを思い出し、今回も普通に驚けました。男性か女性かすら憶えていなかった。捜査線上に誰が犯人でもおかしくないような容疑者が浮上しまくるのがいい。「警官連続射殺」というのに引っ張られていると完全に読み間違う気がしますね。守りつつ推理する、攻めつつ守るというのがうまい具合に緊張感をキープさせていて、うめえなあと。

 核となるのは新一と蘭の甘酸っぱすぎる、恋の記憶のドラマ。『迷宮の十字路』のそれは結構やぼったい印象はぬぐえませんが、こっちははかなくてよかったです。

 

大いなる遺産―『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』感想

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 2002年公開。第6作目。人工知能ノアズ・アークが仕掛けた、日本の未来を賭けたゲーム。野沢尚の脚本が冴えわたる、親と子、相続をめぐるドラマが秀逸。シャーロック・ホームズのオマージュが胃もたれするほど散りばめられてるのも楽しい。説明過多で若干だるくもあるけど、対象年齢層を考えたら仕方ないっすね。

 殺されるかもしれない子供たちは、親から明確な正の遺産を受け継いでいる。一方、犯人たちが先祖から受け継いだのは負の遺産。犯人の一人はそれに堪えきれず犯罪に手を染め、既に世を去ったもう一方の犯人は、正の遺産を受け継ぐ子どもたちをよりよく導こうとした。適当ですが。

 19世紀末ロンドンという舞台は、いかにも映画っぽくていい感じ。

 

映画はスリルショックサスペンス!―『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』感想

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 1997年公開。記念すべき第1作目。工藤新一に突き付けられた、爆弾魔からの挑戦状。街中での爆弾テロから環状線の列車に仕掛けられた爆弾解除、そして摩天楼での爆弾解体。1作目にしてテレビアニメの映画化という水準から期待されるもののはるか上をゆく、息もつかせぬサスペンスがとにかく素晴らしい。

 電車爆弾は『新幹線大爆破』とか『スピード』っぽくてよくできてるし、最後の最後、爆弾のコード切断は王道ゆえに至高。ビル爆破の作画も素晴らしい。しかし伏線を念入りにばらまいてあるオチは秀逸すぎるがゆえに、いつぶりかわからないほどの鑑賞でもはっきり憶えてたのでハラハラ八割減。まあそれはしょうがないっすね。運命の赤い糸。極めて甘ったるいがこういうのがコナンの魅力でもあるんでしょう多分。

 モリアーティをもじった犯人、森谷帝二がどことなくしょぼいのは原作リスペクトか。これほど隠すきがないネーミングも珍しく、推理よりサスペンス趣向な本作を象徴しているような気も。

 

どことなくテレビシリーズっぽい―『名探偵コナン 14番目の標的』感想

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 1998年公開。第2作目。毛利小五郎にかかわる人物が、トランプの数字に沿って次々と襲われていく。犯人の真意と目的、そして小五郎と妃英理の過去。クリスティ『ABC殺人事件』のオマージュっぽい筋立て。

 目暮警部や妃英理、阿笠博士ら本編のレギュラーたちが襲撃される序盤は、トクベツ感にあふれててすげー劇場版っぽいのだが、小五郎の知り合いとして登場する劇場版のオリジナルの人物たちに重心が移る中盤以降は若干だるいし、悪い意味でテレビっぽさがある。しかし人工島が崩壊するクライマックスは作画もすんばらしくて、小五郎とコナン=新一がオーバーラップする演出もカッコよかった。でもでもやっぱり、粒ぞろいの初期劇場版の中では若干見劣りするような。前作『時計仕掛けの摩天楼』がよすぎたってのもありますが。

 小五郎の知り合いたちのセレブ()っぽさにビビる。昼から麻雀に精を出してるわりにハイソな方々とお知り合いなようで。

 

名探偵コナン 世紀末の魔術師』感想

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 1999年公開。第3作目。ロマノフ朝の秘宝を狙う怪盗キッドとの対決と思いきや、その秘宝をめぐる時を超えた因縁の物語が展開される。この作品から灰原哀が登場。歩美ちゃんのオタサーの姫感が薄れる

 世紀末の魔術師のひとり、怪盗キッドの出番はさほどでもないが、一番いいところをさらっていくので怪盗感がある。でも変装はパーフェクトじゃないんですよね。結構露骨なのでわかっちゃうのは仕方ないか。

 物語は存外地味だけど、実在の歴史的人物・事件をからめた偽史モノ的な感覚はスケール感を感じて楽しい。それと犯人のスコーピオンは『ダーティ・ハリー』リスペクトなのか。

 

ヒロインは小学生―『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』感想

劇場版名探偵コナン  天国へのカウントダウン(Blu-ray Disc)

 2001年公開。第5作目。ツインタワービル爆破事件に巻き込まれたコナンたち。そこには灰原をつけ狙う黒の組織の影が。蘭との関係がクローズアップされた前作『瞳の中の暗殺者』と打って変わって、本作の主役は少年探偵団といっても過言ではない。その点初期作のなかでは異彩を放つ。事件の主要な舞台をツインタワービルに絞ったという意味でもそう。これ、公開が半年ずれてたらお蔵入りになったんじゃないか。

 過去の記憶にさいなまれる灰原と、幼い恋心にゆれる歩美ちゃんのダブルヒロイン的な感じで、とりわけ歩美ちゃんはかわいい。念のため言っておきますが僕はロリコンではありません。ロリコンではありません。

 

 

 

てきとうな総括

 さすがに疲れました。ぶっ通しでみるもんじゃないですね。なんとなく、劇場版の犯人像って似通っている部分もあって、一回人を殺すと逮捕の手を逃れるためにいともたやすく人をぶっ殺すようになる気がします。デトロイトメタルシティ米花町。

 どのくらい犯人憶えてたかというと、半分くらい。やっぱりというか、動機が印象的なやつは憶えている傾向にありました。動機と人物像が不可分に結びついちゃうんでしょうね。サイコな動機のやつ多いし。わりと合目的性のある動機をもってると憶えてない。その点でも『瞳の中の暗殺者』は秀逸。

 それと、初代白鳥警部役の塩沢兼人さんをはじめ、今は亡くなられた方が結構出演なさっていて、センチメンタルな気分にもなりました。毛利のおっちゃんももう別人ですもんね。 

 

 突っ込むのは野暮ですけど、おまえどうやって拳銃とか調達したんやとか、どうやって爆弾仕掛けたんやとか、突っ込みどころは散見される。特に環状線の線路に爆弾仕掛けるの、一人じゃ無理じゃないすか。それをやってのけるのがモリアーティの条件という感じですかね。高校生探偵が社会のなかで地位を築いてる社会でリアリティがうんぬんするのは「わかってない」と思うのでいいんですけど、いいんですけど、面白いが、面白いんだが細部は粗いなっていう印象があります。

 だから、ゲームというある種なんでもありが許される土俵を選んでみせた『ベイカー街の亡霊』が相対的に粗が目立たない気もします。トリック破りとか犯人捜しとか、そういうゲームをすこしずらしてみせたところに『ベイカー街の亡霊』の魅力はあると思いました。

 

これで『世紀末の魔術師』と『天国へのカウントダウン』以外のこだま兼嗣監督作品は視聴した感じ。起きて元気があったら2作をみてコンプリートしたい。かも。(追記)みました。『迷宮の十字路』以降のやつにいたっては、そもそもみたことあるのがほぼない。また来年、huluさんが配信してくれたらみるかもしれないです。

 

 

 

 

 

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