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宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

見知った世界、新たな伝説―『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』感想

映画

アート・オブ・スター・ウォーズ/フォースの覚醒

 

 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を3D字幕版、極上爆音上映でみました。フォースが覚醒しました。以下で感想を。ネタバレが含まれますので未見の方はご注意ください。

そこは間違いなく「あの」銀河系だった

 遠い昔、遥か彼方の銀河系。圧倒的な軍事力でもって宇宙の覇権を握った銀河帝国は、皇帝たるシスの暗黒卿が敗れ去ったことによって凋落し、平和がもたらされた...というわけではどうやらなかった。皇帝の死後30年後にいたっても、帝国軍の流れをくむ軍事集団、ファースト・オーダーは宇宙を闊歩し、その暴力は人々を苦しめていた。それに対抗するは、反乱軍の意志の継承者をおもわせるレジスタンス。その両者は、行方をくらましたかつての英雄、フォースの力を受け継ぐ男、ルーク・スカイウォーカーの姿を追う。彼の居所のカギ、スカイウォーカーの地図を託されたドロイドが、辺境の地で日々を生きる少女と、ファースト・オーダーの脱走兵とを偶然にも出会わせたとき、新たなる伝説が始まりを告げるのであった。

 EP6のその後の世界を舞台に、誰も結末を知らない物語が始まりを告げるこのEP7、『フォースの覚醒』をリアルタイムで経験できるというお祭りに幸運にも立ち会えたことに感謝感激という感じなのですが、作品それ自体が「お前らのよーく知っている、しかもめっちゃ大好きな世界で、まったく新しい物語をこれからみせてやんよ」とでもいうような作り手側の圧倒的な自信、それに裏打ちされた迫力に満ち満ちていて、なんともいえず最高のやつだった。

 旧3部作と間違いなく地続きの世界であることを感じさせる空気感というか、30年の時を経てなお、そこがまさしく他でもない「あの」銀河系なのだと確信をもって感じさせるような世界の見せ方がすさまじい。溢れる旧3部作感というか。ファースト・オーダーの小奇麗で無機質な感触や、それと対比されるレジスタンスの雑多で薄汚れた、しかしゆえににじみ出る歴戦の強者感なんかは、帝国軍と反乱軍との対比とまんま重なる。レジスタンスに反乱軍的カッコよさが受け継がれているのはほんとに最高だと思うというか、こういうカッコよさって新三部作には欠けていたなとなんとなく気付かされたりしました。そのドッグファイトは3Dの効果がいかんなく発揮されていて、このために3Dにしてよかったと思うほどに爽快でした。機体は旧3部作の雰囲気なのにドッグファイトは現代風、みたいなギャップもまた爽快というか。

 そして登場人物もまた、あの見知った人たちなんだなというのを強く感じて、これもすげえなと。正直予告では「おじいちゃん」感がにじみ出ていてちょっといやだったハリソン・フォードも、本編では(老いてはいても)あのハン・ソロでしかなかったし、すごい。マーク・ハミルも、30年苦労をつづけた男の雰囲気をリアルに湛えていて、だから彼が画面に姿を現したときにはえもいわれぬ感動が。あ、これはもう完全にジェダイ・マスターだこの人...みたいな。

新たなる伝説

 そんな世界で語られる物語は、EP1-6までがそうであったように、スカイウォーカーの血筋をめぐる因縁を強く感じさせるんだけれども、しかしアナキンとルークのごとき父と子のドラマみたいなものは『フォースの覚醒』で清算して(しまっているような気が僕はする)、その変奏みたいなところに落ちつけてやる気はないのだ、という意思を強く感じる。

 早々に父殺しを成し遂げ、スカイウォーカーの物語の新たな中心となるであろうフォースの使い手、マスクを纏う暗黒騎士カイロ・レンは、『フォースの覚醒』全編で殺戮と破壊をまき散らし、暗黒面の力のすさまじさをみせつけるわけですが、それに加えて素顔を晒して苦悩と葛藤までをもフィルムに写し取られていて、敵役としての恐ろしさと人間としての未熟さ、脆さのアンビバレンスが今までのダークサイドの人間にはない魅力を放っていて、本編をみてめちゃくちゃ好きになりました。

 予告ではなんかイマイチ存在感が...みたいな印象だったのですが、いきなりライトセーバー振り回してためらわずにぶっ殺すし、ブラスターもフォースでとめちゃうし、冒頭のシーンで大分見直し、ポー・ダメロンを尋問するくだりなんかは音響のすさまじさもあいまってこいつやばいなと。これが暗黒面の力か...と一人で納得しました。極上爆音上映で一番すさまじかったのはたぶんカイロ・レンのフォースまわりの音だと思って、尋問のシークエンスは建物全体が軋んでいるんじゃないかと錯覚するほどでした。

 しかしチャンバラ面ではちょっと不安を感じるというか、手負いの身とはいえライトセーバーをはじめて握ったであろうレイにやられそうになるのはどうなのよというかんじもしますが、今後挽回してくれるでしょうきっと。そんなわけで『フォースの覚醒』はカイロ・レンの映画だったと思います、はい。がんばれカイロ・レン。よくわからない大豪院邪鬼みたいなやつに負けるな。

 

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スター・ウォーズ/フォースの覚醒 オリジナル・サウンドトラック(初回スリーブ仕様)

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 オリジナル・サウンドトラック(初回スリーブ仕様)

 

 

 

 

【作品情報】

‣2015年/アメリカ

‣監督: J・J・エイブラムス

‣脚本: ローレンス・カスダンJ・J・エイブラムス、マイケル・アーント

‣出演

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