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『ジャスティス・リーグ』感想

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 『ジャスティス・リーグ』を2D字幕版でみました。以下感想。

  死闘の末、スーパーマンは世界を去った。しかし、脅威は未だ消え去ってはいなかった。大富豪にして闇に紛れて犯罪者に制裁を下す男、ブルース・ウェインバットマンは、その脅威に対抗するために超人たちをスカウトしはじめる。

 『バットマンvスーパーマン』の結末で予告された物語は、おそらく当初の想定とは違った形で語られることになった。それを決定づけたのは、たぶんザック・スナイダー監督の不慮の降板で、『マン・オブ・スティール』からはじまったスーパーマンと世界をめぐる神話は、良くも悪くも神話的な雰囲気を後退させ、上映時間もぐっとコンパクトになった。このこと自体が、意図せざる結果として前作との切断線を強調する結果になり、シリーズとして新たなフェイズに入った徴がこの映画で刻まれた、という気はする。ここでいよいよ、神に擬された超人ではなく、それぞれ一個の人間でもあるヒーローが、世界の危機に立ち向かう物語が始まったのだなと。

 しかし、ザック・スナイダーの作家性が大幅に後退し、マーベルシネマテッィクユニバース(MCU)の一翼を担っていたジョス・ウェドンがポストプロダクションの段階から関わるようになったことをおそらく要因にして、全体の雰囲気がMCUに接近し、DCEUがもっていたユニークな雰囲気が失われてしまった、というような気もする。MCUが着々とサーガを紡いでいるなかで、新たなスーパーマンの物語を、そしてノーラン版の記憶も褪せぬうちに新たなバットマンを語らねばならない、という状況のなかで、一つの世界を立ち上げるために、なによりザック・スナイダーの作家性こそがその要だった、と今さらになって感じる。少なくとも僕にとっては、それがDCEUのもつ引力の核心だった。

 それがないDCEU、MCUへと接近したDCEUは、なんというか、MCUに対する時間的な(開始時点において、また作品の累計において)ハンデを強烈に感じざるをえず、早回しでMCUに追い付こうとしている感じが拭い難い。さらには『BvS』で退場し、この『ジャスティス・リーグ』の展開を予告したスーパーマン、いくらなんでも帰ってくるのが早すぎる。「スーパーマンなき世界」の物語にはもっと語る余地があったようなきがするし、語らねばならないこともあったように思う。その点、MCUは「キャプテン・アメリカなき世界」を有効に機能させているのでさらにDCEUのこの展開の速さがきになってしまう。

 とはいえ全体としては楽しい時間を過ごすことができたのは事実で、とりわけエズラ・ミラー演じるフラッシュがよくて、ダイナー系の連中がうっかり集まってしまった感のあるこのメンツのなかで若さと明るさを発散させて、映画全体を救っていた気がする。がんばれDCEU。

 

 

 

【作品情報】

‣2017年/アメリカ

‣監督:ザック・スナイダー

‣脚本: クリス・テリオ、ジョス・ウェドン

‣出演