元気です。
先月の。
印象に残った本
- 作者: マルティンハイデッガー,Martin Heidegger,細谷貞雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1994/06/01
- メディア: 文庫
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一冊選ぶならハイデガー『存在と時間』でしょう。学部のころから読み始めては中途で投げ出しを繰り返し、上巻だけならたぶん5回くらい読んでるのですが、今回はメモを取るのをいったん諦めてとにかく最後まで通読することを目指しました。
読んだ本のまとめ
2019年4月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:4696ページ
ナイス数:153ナイス
https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly
■『Shall weダンス?』アメリカを行く (文春文庫)
『Shall we ダンス?』全米公開をめぐるミラマックスとのドタバタと、宣伝でアメリカ中を飛び回った日々の記録。ミラマックス全盛時代も今は昔という感じですが、めちゃくちゃな編集に憤る監督の姿は今読んでもめちゃくちゃ面白いです。文章が達者で、さすが蓮實重彦の薫陶を受けただけありますわねという感じでした。
読了日:04月03日 著者:周防 正行
https://bookmeter.com/books/57606
■高校生と考える希望のための教科書 (桐光学園大学訪問授業)
桐光学園の高校生向けに行われた講演の活字化。とりわけ印象に残ったのは吉増剛造、井上章一。印象に残っている教員についてのひねくれた回答が、井上さんはほんと京都人的やなあと思いました。
読了日:04月07日 著者:坂本 龍一,谷川 俊太郎,飯尾 潤,磯﨑 憲一郎,一柳 慧,井上 章一,臼杵 陽,大島 まり,小平 麻衣子,門脇 厚司,金井 景子,玄田 有史,島薗 進,高橋 悠治,中沢 けい,成田 龍一,沼野 充義,根岸 英一,東 直子,水野 和夫,吉増 剛造,李 禹煥
https://bookmeter.com/books/12812423
■東アジア仏教史 (岩波新書)
インドから東アジアに伝わった仏教が、どのように解釈され受容されていったのかを概説する。特に中国における仏教の栄枯盛衰に紙幅を大きくとっていて、やはり漢字が解釈に与える影響は強烈なのだなという印象が強い。
読了日:04月07日 著者:石井 公成
https://bookmeter.com/books/13530307
- 作者: マルティンハイデッガー,Martin Heidegger,細谷貞雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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■存在と時間〈上〉 (ちくま学芸文庫)
「時間を解釈して、それが存在についてのあらゆる理解の可能的な地平であることを示すことが、当面の目標である」。上巻では、存在を問うために、現存在が世界内存在であり、すでに関心と配慮を装備させられ世界の中に投げ込まれているらしいという前提が確認される。独特の用語法で武装したこの文字列を眺めることがそれ自体修行であり、その苦行の果てに何か別の世界が見えてきそうな予感はあるのだが、こういうものいいこそ哲学を神秘化して俗悪に理解する仕方なのかも。ともあれハイデガー語のビートに身を委ねるしかない、素人なので。
読了日:04月15日 著者:マルティン ハイデッガー
https://bookmeter.com/books/519931
■西へ行く者は西へ進む
現在は休刊中の自動車雑誌『NAVI』に連載されていたエッセイを書籍化したもの。自動車についてはふんわり触れたり触れなかったりで、いま読むと執筆当時(90年代半ば)の雰囲気がパッケージングされている点がおもしろみかも。岡崎京子の交通事故とか、景山民夫の葬儀とか。たまにノスタルジーをかきたてる泣かせる話があるのがずるい。
読了日:04月17日 著者:えのきど いちろう
https://bookmeter.com/books/153889
- 作者: マルティンハイデッガー,Martin Heidegger,細谷貞雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1994/06/01
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■存在と時間〈下〉 (ちくま学芸文庫)
「死というものが存在するとすれば、それは本質上、各自私の死として存在するのである。しかもそれは、ひとりびとり自分の現存在の存在がそこで絶対的に賭けられているところの特異な存在可能性を意味しているのである。」。下巻では、いよいよ時間性の議論が展開されるのだが、とにかく死を先取することで本来的な存在を生きられる、的な先駆的覚悟性の議論が熱を持って展開され、それが一個の個人をめぐる時間だけではなく世界=歴史にまで敷衍され、ある種の倫理学としても読める、そのように読めと要請されているようにも感じた。
読了日:04月21日 著者:マルティン ハイデッガー
https://bookmeter.com/books/519934
■ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)
どこかに去った妻を連れ戻すため、男は深く静かに底へ底へと潜っていく。間宮老人の挿話がラスト近くに配され、ああ、この小説は徹頭徹尾そうしてすでに生きられた、生きられてしまった蹉跌といかに対峙するのか、という話だったのだなと思い知る。
読了日:04月24日 著者:村上 春樹
https://bookmeter.com/books/575488
■羊と鋼の森 (文春文庫)
ピアノの調律師になった少年が、その森のなかを分け入っていく。時に暗喩的に登場する森のイメージが豊かで、そうしたイメージによって作品世界自体の陰影がぐっと濃くなっていて、まさしく小説やなあと思う。こうも嫌味なく、ひたむきであることの素晴らしさを語れるものかと感嘆しました。
読了日:04月24日 著者:宮下 奈都
https://bookmeter.com/books/12552692
■蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)
コンクールに現れる、かつて神童と呼ばれた少女、再び音楽の道を歩まんとするサラリーマン、そして規格外の異才。漫画的ともいえるキャラ立ちした登場人物によるトーナメント(トーナメントではない)はさながらグラップラー刃牙で、勢いでぐいぐい読みました。
読了日:04月25日 著者:恩田 陸
https://bookmeter.com/books/13658780
■蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫)
最大トーナメント、決着ッ!!!!作品中の語彙でこの作品を語るならば「アトラクション」というのが非常にしっくりくる感じで、説得力をもって天才の天才性を描き出すことの困難さをひしひしと感じた。天才の天才性が陳腐なものに思えてしまった瞬間、作品世界そのものの底みたいなものがはっきり見えてしまう。
読了日:04月26日 著者:恩田 陸
https://bookmeter.com/books/13658781
■マルドゥック・アノニマス3 (ハヤカワ文庫JA)
ハンター率いるクインテットが日々勢力を拡大するなか、ウフコックの決死の潜入によって得た情報が、善の勢力を糾合して包囲網をしく。このハンターという悪のカリスマに、書き手である冲方丁がいかに強烈に魅了されているのかがビシビシ伝わってくる語りがめちゃくちゃ説得力があり、この均一化を推し進めていくおぞましい力とどうやって戦えばいいんだよ、という気分にさせられる。ラストの引きがこれがまたすんばらしくてすげえです。
読了日:04月29日 著者:冲方丁
https://bookmeter.com/books/12739454
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