2019年は『ディスコ探偵水曜日』イヤーですよ、みなさん。
先月の。
印象に残った本
- 作者: ウィリアム・サマセットモーム,William Somerset Maugham,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/06/12
- メディア: 文庫
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一冊選ぶならモーム『月と六ペンス』。
読んだ本のまとめ
2019年10月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:5123ページ
ナイス数:131ナイス
https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly
■2100年の世界地図 アフラシアの時代 (岩波新書)
アフリカ大陸およびアジア地域の現況と展望を、人口予測をもとに語る。ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』の議論の甘さを指摘する箇所はなるほどって感じでした。
読了日:10月01日 著者:峯 陽一
https://bookmeter.com/books/14204010
■短篇小説講義 (岩波新書)
増補版を読みました。短編小説を取り上げ、その魅力を筒井が語る。増補版では自作を取り上げその仕掛けを自著解題的に細かく語っていてにゃるほどって感じでした。
読了日:10月01日 著者:筒井 康隆
https://bookmeter.com/books/501998
■日本近代文学入門-12人の文豪と名作の真実 (中公新書)
近代文学入門というよりは作家の簡潔なバイオグラフィーを集めたエッセイ本という感じ。当時の著者をめぐる読者空間について、教えられるところが多かった、気がします。
読了日:10月03日 著者:堀 啓子
https://bookmeter.com/books/14144444
■総理の値打ち (文春文庫)
伊藤博文から小泉純一郎まで、内閣総理大臣の評価をつける。意外なところは山縣有朋と岸信介の高評価。ここらへんは末尾の議論になっているので、単に福田の趣味の開陳で終わっていないところが本書の美点かもしれない。
読了日:10月06日 著者:福田 和也
https://bookmeter.com/books/9904
■IQ2 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
現代ロサンゼルスの若きシャーロック・ホームズ再び。兄殺しの捜査とラスベガスの事件とを同時進行させる語り口は前作同様で、それが最後に一つの点に結びつくプロットが気持ちよい。種々の仕掛けは、様々な人種がまだらに存在するアメリカ合衆国という国をより強烈に感じさせる、気がする。
読了日:10月06日 著者:ジョー イデ
https://bookmeter.com/books/13792838
■百姓たちの江戸時代 (ちくまプリマー新書)
主に江戸時代後期の百姓たちの生活を、先行する研究を参照してスケッチする。江戸時代にはすでに、貨幣経済が想像以上に浸透していたのだな、という点がやはり印象に残る。
読了日:10月06日 著者:渡辺 尚志
https://bookmeter.com/books/453197
■淵の王 (新潮文庫)
三人の前に三者三様のかたちで姿を現わす闇。探偵不在のこの物語ではその闇になんらかの明確な正体が与えられることはないのだが、探偵小説というフォーマットでなくても闇を闇のままでブチのめすことで最終的な解決が図るあたりがいかにも舞城的であるなと思いました。テクストと私たちのあいだに浮かんでいるような語り手の感触によって、曖昧にメタフィクション的な雰囲気が漂う。
読了日:10月09日 著者:舞城 王太郎
https://bookmeter.com/books/12443065
■ディスコ探偵水曜日〈上〉 (新潮文庫)
大いなる物語を語るためには大いなる助走が必要なのだということくらい自明なことはないが、再読して改めて、ここに書き込まれていることは大いなる助走に過ぎないのだということがわかる。世界のルールを我々の身体に叩き込むための助走。
読了日:10月11日 著者:舞城 王太郎
https://bookmeter.com/books/2291232
■ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)
この巻の終わりでようやく本当に始まる、という感じがする。文脈に文脈を塗り重ねてそれらを一気にぶっ飛ばすクライマックスの推理の掟破りぶりを軽々超越する超展開にぶっ飛ばされます。
読了日:10月12日 著者:舞城 王太郎
https://bookmeter.com/books/2296368
■古代アテネ旅行ガイド (ちくま学芸文庫)
同著者による古代ローマ案内本の続編(たぶん)。しかしまあ2000年以上の前のことがここまでつまびらかになってんのだなあという素朴な驚きがある。
読了日:10月14日 著者:フィリップ マティザック
https://bookmeter.com/books/14077193
■【中東大混迷を解く】 シーア派とスンニ派 (新潮選書)
サイクスピコ協定を扱ったこのシリーズの前作に続いて、「シーア派とスンニ派の対立が原因!」みたいな雑な理解でわかった気になるのをやめろ、と啓蒙する。イラン、イラク、レバノンなどのそれぞれの国内政治で宗派の対立がどのように機能してきたか、ということをざっくりせいりしていて、とりわけレバノン情勢や、ニューヨークタイムズ御用達のリベラル知識人がサウジの広報官的な役割を担っている、あたりの話はなるほどなーとなりました。
読了日:10月14日 著者:池内 恵
https://bookmeter.com/books/12818661
■ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)
めちゃくちゃ本当のことほど、嘘を通してしか語れないと書いた舞城王太郎は、こういう風に嘘を積み上げて愛と勇気のお話を、もっとも偉大なもののお話を書いたのだ。
読了日:10月18日 著者:舞城 王太郎
https://bookmeter.com/books/2295288
■私はあなたの瞳の林檎
超自然的なことが起こったりしない恋愛小説三篇所収。探偵も事件もないからといって舞城王太郎の舞城王太郎性はひとっつも損なわれねえなあと嬉しくなる。三篇ともキュートで好きなんすけど、死と電車のイメージが強く残る「僕が乗るべき遠くの列車」がとりわけ好き。
読了日:10月20日 著者:舞城 王太郎
https://bookmeter.com/books/13192058
■されど私の可愛い檸檬
超自然的な出来事は起こらないのに恐怖要素多めでよかった。
読了日:10月28日 著者:舞城 王太郎
https://bookmeter.com/books/13237776
- 作者: ウィリアム・サマセットモーム,William Somerset Maugham,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/06/12
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■月と六ペンス (光文社古典新訳文庫)
これは天才画家に恋した語り手の物語なのだ、とする解説に、いやいやモームの個人史に寄りかかり過ぎな解釈じゃないかいとも思いつつも確かにそう読めるよな、という感じで、露悪に徹しきれない語り手のまなざしの温度がすんばらしい小説でした。
読了日:10月29日 著者:ウィリアム・サマセット モーム
https://bookmeter.com/books/539328
■世界推理短編傑作集1【新版】 (創元推理文庫)
ポー「盗まれた手紙」、ドイル「赤毛組合」などのマスターピースを収める。解説が時代背景や影響関係など手厚いのがありがたいです。
読了日:10月30日 著者:
https://bookmeter.com/books/12916425
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