宇宙、日本、練馬

映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

2019年8月に読んだ本と近況

 あまり元気ではありませんでした。

 先月の。

2019年7月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬

 印象に残った本

星の子

星の子

 

  今村夏子『星の子』、しんどい小説でした。

 

読んだ本のまとめ

2019年8月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2592ページ
ナイス数:118ナイス

https://bookmeter.com/users/418251/summary/monthly

 

映画崩壊前夜

映画崩壊前夜

 

 ■映画崩壊前夜
 2001年以降に書かれた時評的な文章を集めたもの。発表媒体は新聞から『ユリイカ』、『批評空間』など。短めな文章が多めでお手軽に蓮實重彦分を摂取できます。
読了日:08月01日 著者:蓮實 重彦
https://bookmeter.com/books/469565

 

日本建築思想史 (atプラス叢書10)

日本建築思想史 (atプラス叢書10)

 

 ■日本建築思想史 (atプラス叢書10)
 近現代の日本における建築史を、堀口捨己丹下健三磯崎新妹島和世をひとつの大きなラインとして語る試み。語り手である磯崎の知性は、自身すらも歴史のなかに埋め込まれたある種の対象として突き放してみる目線に表れているような気がする。
読了日:08月04日 著者:磯崎 新
https://bookmeter.com/books/9379274

 

手のひらの楽園

手のひらの楽園

 

 ■手のひらの楽園
 新井陽次郎の手になる表紙に惹かれてだらだらと読みました。エステティシャンになるため高校の専門課程に通う少女の一年間と、そのなかで明らかになる出生の秘密。長崎の方言が心地よく、またいかにも今っぽいスラングを織り込みつつ、しかし切実でリアルな金銭の問題がほの見えもする、極めて真摯な青春小説だと思いました。この私が他者に向ける感情の不如意さというか、ままならなさの綾が巧みに書き込まれていると感じます。
読了日:08月16日 著者:宮木 あや子
https://bookmeter.com/books/14037222

 

キリスト教と日本人 (ちくま新書)

キリスト教と日本人 (ちくま新書)

 

 ■キリスト教と日本人 (ちくま新書)
 戦国時代におけるキリスト教とのファーストコンタクトから明治期における宣教師たちの活動とそれに対する反応を追いつつ、最終的にはそもそも信仰とはなにか、ということの内実を問う。日本キリスト教史としては、先行研究を適宜ひきつつコンパクトにまとまっており、わかった気になる。我々が簡単に口にする「信じる」ということの内実、微妙なあやを伝えようとする著者の誠実さが強く印象に残るよい本です。
読了日:08月16日 著者:石川 明人
https://bookmeter.com/books/13907480

 

星の子

星の子

 

 ■星の子
 自身の病をきっかけに親が新興宗教にはまりこんでしまった少女。彼女の目から眺められる世界。「別様にありえたこと」が語り手である彼女自身には理解されないが、それが読み手にはありありと感受されてしまうこの非対称性が感情をぐらぐらと揺さぶる。粗末な飯しか食べられないことの恐るべき不幸、それが不幸とも自覚されないことの恐ろしさ。
読了日:08月17日 著者:今村夏子
https://bookmeter.com/books/11746971

 

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

 

 ■キャッチャー・イン・ザ・ライ
 この説教の届かなさ!
読了日:08月24日 著者:J.D.サリンジャー
https://bookmeter.com/books/576264

 

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(上) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(上) (新潮文庫)

 

 ■騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(上) (新潮文庫)
 小田原の山中。老大家のアトリエ。謎めいた絵画。「逃げ去る女」や「地下に下りていく男」というモチーフはあからさまに『ねじまき鳥クロニクル』の反復・変奏に感じられるが、まだ始まったばかりのこの物語においてそれらがどのように料理されるか、ともかく読み進めます。
読了日:08月29日 著者:村上 春樹
https://bookmeter.com/books/13527247

 

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)

 

 ■騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)
騎士団長のかたちをとって顕現するイデア。奇妙な男の奇妙な依頼。
読了日:08月31日 著者:村上 春樹
https://bookmeter.com/books/13527246


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近況

制服は誰にも似合わない――アニメ『放浪息子』感想 - 宇宙、日本、練馬