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映画やアニメ、本の感想。ネタバレが含まていることがあります。

奇妙な味────『ファンタジスタドール』感想

さくっと作戦 マドレーヌの献身?

 dアニメストアで配信が終わるというので『ファンタジスタドール』をみました。以下、感想。

 中学生の少女、鵜野うずめは、偶然にもファンタジスタドールとよばれる少女が封じられたカードを手にしてしまう。不思議な力をもったファンタジスタドールたちからマスターとよばれ困惑するうずめだが、ドールを使役するマスターたちとの戦いに巻き込まれたり巻き込まれなかったりしていく…。

 変な味する。それに尽きる。ルックはどことなくニチアサというか、女児アニメ風の感触だが、2013年に放映された際は深夜帯で放映されていて、いやしかしこの感触は2010年代というよりも00年代のそれのような気もするし、あまりまじめにはみていなかったんだけど、どのくらいまじめに受け取ればいいのか困惑しながらみていたというのが正直なところな気がする。

 超常的な存在を使役してのバトルロイヤル風味の設定ながら、それを脱臼させるようなコミカルな、というか、奇矯な演出でシリアスな空気を漂わせないようにしているし、「伝説の不採用通知」「マスカレードカレーウキウキ」などやけに印象に残るワードチョイスは唯一無二の魅力といってもいいと思う。

 しかし、やはりとても、困惑しています、いま。野崎まど『ファンタジスタドール・イヴ』も太宰治人間失格』を骨格にしたサイエンスフィクションとして大変おもしろく読んだ記憶がありますが、このアニメの混沌ぶりと比べていかに整然としていたことか…。